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図書館的人生Vol.5 襲ってくるもの

イキウメ「図書館的人生Vol.5 襲ってくるもの」  2018年6月

作・演出前川知大の、書棚を眺めるように連想と飛躍を楽しめる短編シリーズ。今回は意識の底からふいに浮かんでくる衝動や記憶を描くSFだ。いつもどおり、笑いのなかにゾクッとさせる要素がたっぷり。演劇好きが集まった感じの東京芸術劇場シアターイースト、上手寄り前の方で5000円。休憩なしの約2時間。
今回は3編で、まず「箱詰めの男」の設定は2036年。病を得た脳科学者(安井純平)が身体を捨て、意識と記憶をPCに移す道を選ぶ。嗅覚を追加することで人間らしくなるものの、辛い記憶に襲われて… AIばやりの昨今、絵空事とも思えないホラーだ。妻に安定の千葉雅子、振り回される息子に盛隆二、怪しい科学者・時枝(「天の敵」にも出てきましたね)は森下創。
続いて「ミッション」の舞台は2006年。かつて衝動的に死亡事故を起こしたドライバーの山田(大窪人衛)は、衝動も巡り巡って意味をもつ、と主張して暴走し始める。ストーカーの過去を持つ同僚・佐久間、田村健太郎が飄々として巧い。
ラストの「あやつり人間」は2001年。就活生の由香里(「片鱗」「太陽」がチャーミングだった清水葉月)は、母(千葉雅子)の病気再発を契機に、すべてをリセットして納得できる道を歩もうと思い始めるが、兄(浜田信也)や恋人(田村)の強硬な反対に遭い… 1作目、2作目の断片をまぶしながら、何が本当の満足、思いやりなのかをストレートに問う。職人になった友人の小野ゆり子が、いつもながらすらりとして魅力的だ。
シンプルな美術は土岐研一。ロビーには長塚圭史さんの姿も。

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