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イル・トロヴァトーレ

バーリ歌劇場「イル・トロヴァトーレ」  2018年6月

イタリア政府が出資する13歌劇場のひとつという、南イタリア・バーリの初来日公演で、ヴェルディ節にひたる。歌手、演出とも素朴な印象でした。お目当てフリットリが残念ながら気管支炎で降板、診断書が掲示されていてびっくり。
年配夫妻が目立つ東京文化会館大ホールの中段上手寄りで2万9000円。休憩1回で3時間。主催はコンサート・ドアーズ。
指揮は2017年の新国立劇場「ルチア」がよかった、音楽監督ジャンパオロ・ビサンティ。日本ヴェルディ協会のトークショーではバリトンの魅力を語っていて、知的だった人です。ベルカントを大事にした、抑えめの印象。
そのバリトンで、敵役ルーナ伯爵のアルベルト・ガザーレが威風堂々、2幕「君の微笑みの」で拍手を浴びるなど、舞台を牽引する。ジプシーの母・アズチェーナのミリヤーナ・ニコリッチ(セビリアのメゾ)が目立っていた。魔女のイメージを覆す長身、揺れるようなクセのある声。矛盾が多い役だと思うけど、息子と山に帰りたい、と願う4幕マンリーコとの2重唱が哀切で、呪われているのはアズチェーナ本人だと思えた。
吟遊詩人マンリーコのフランチェスコ・メーリ(テノール)は高音にハリがあり、3幕「ああ、愛しいわが恋人」がリリックで喝采。代役の女官レオノーラ、スヴェトラ・ヴァシレヴァ(ブルガリアのソプラノ)は技巧を駆使するものの、持ち味が暗め。4幕「この世に私の愛ほど」あたり、追い詰められてからが良かったかな。
全体にオーラが薄めだったのは、ニューヨーク生まれジョセフ・フランコニ・リーの演出のせいかも。なにしろセットが書き割りと赤い紗幕だけなんだもの。バレエもちょっと拍子抜け。照明は効果的でした~ 客席に加藤浩子さんがいらしてた。

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