キュリオス
ダイハツ キュリオス 東京公演 2018年3月
シルク・ドゥ・ソレイユ創設30周年記念作品を観てきた。アクロバティックな超人技はもちろん、テーマのレトロフィーチャーに合わせて歯車や列車をあしらったスチームパンクなビジュアル、お茶目な振り付け、流れるような展開がとてもお洒落。演出はミシェル・ラプリーズ。
しかも昨年8月と超高速で押さえただけに、舞台に近い正面の素晴らしい席! シルク6回目で一番の幸せ感でした~ みんなニコニコ、ノリもいいお台場ビッグトップのSS席で1万3500円。30分休憩を挟んで2時間強があっという間だ。
以下ネタバレを含みます。
いつものようにテント風の会場に入り、Tシャツなどのグッズと、ビールやポップコーンをしっかり買い込んで、席に着く。楽隊が客席をめぐり、セピア色で統一された舞台にキャラクターが登場。観客の男の子を舞台にあげて自転車をこがせ、そのパワーで電球や蓄音機みたいな小道具が稼働し、回転式時計がラッキーな「11:11」を表示して、ショーが始まる。
1900年パリ万博時をイメージしたという、着飾った旅人たちのジャグリングでスタート。バランシング・オン・チェアではアリス風晩餐会の場で、ロシア男性が椅子を積み上げていき、同時にはるか上方で人と椅子が逆さまに吊られ、両方がつながっちゃう演出が意表を突く。
アクロネットは巨大ネットを海に見立てて、トランポリン技を披露。魚に扮したロシア・オーストラリア・イギリス混成チームが、自慢げに衣装のヒレをパタパタするのが超可愛い。そしてラストのバンキンでは、ロシア・ウクライナ・ベルギーチームが客席通路も使って盛り上がった。
今回は大道芸の演出も充実。特にスペイン男性が長い指人形で男の子の冒険を演じ、お客さんの頭の上まで行っちゃう様子を、カメラでステージの熱気球に映し出す仕掛けが洒落ていた。ほかに台湾男性が操る発光ヨーヨーや、コミカルな透明サーカス、観客女性を舞台に上げて口説くパントマイムも。
定番のアクロバットは、男女がブランコ無しに空中ブランコ技を見せるロシアンクレードル、フランス娘が自転車で宙を舞うエアリアルバイシクルが安定。お馴染みロシア女性たちのコントーションは、巨大な機械仕掛けの手の上で超柔軟を披露。ローラ・ボーラでは飛行機乗りに扮したコロンビア男性による、揺れるブランコでの円柱と板のバランス技にハラハラ。エアリアル・ストラップはアメリカ男性2人組で、お約束・客席上まで達する旋回が優雅だ。
キャラクターは常に誰かが舞台上にいて、演目の間をスムーズにつなぐのが巧い。造形も凝っていて、マッドサイエンティストのシーカー(無邪気な人文主義者だそうです)を中心に、巨大なお腹から小人女性が出てくるとか、蛇腹の体とか、頭に球形スクリーンをつけた奇術師とか。フープスカートで交信するキャラは、日本人女性の池田一葉さんでした。
バイオリンを中心にしたバンドは舞台後方など見える場所で演奏。懐かしい大正ロマンな曲調で、アクロバットとシンクロする技術力が凄い。
ステージはこれまでの演目より40センチほど低いそうで、レールで取り囲まれ、シルク最多の400個を超える小道具を使っているとか。カーテンコールはスマホ撮影OK! インスタ文化ですねえ。楽しかったです!
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