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文楽「花競四季寿」口上「摂州合邦辻」「女殺油地獄」

第二〇二回文楽公演 第二部・第三部  2018年2月

新春の大阪に続いて、八代目竹本綱太夫50回忌追善、さらに綱太夫の息子の切り場語り・咲太夫門下から、咲甫太夫改め六代目竹本織太夫襲名披露という記念の公演だ。2部、3部を一気に鑑賞。ロビーにご祝儀、客席には小泉進次郎さんの姿もあり、お祝いムードで盛り上がる。一方で豊竹始太夫が50歳の若さで急逝というショックな出来事があり、人生の明暗を感じてしまう。国立劇場小劇場の前の方中央いい席で、各部6000円。

2部は休憩2回を挟み2時間半強。幕開きは景事物「花競四季寿(はなくらべしきのことぶき)」で舞踊2題で、小住太夫らが支える。新春の京都を舞台にした「万才」は玉勢、紋臣がうららかに。後半は雪景色に転じ、幻想的な「鷺娘」を文昇で。
口上は咲太夫だけが述べるシンプルな形式。新・織太夫は隣でかしこまってました。
そして追善・襲名披露狂言の「摂州合邦辻」から合邦住家の段。2013年に咲太夫さんで観た演目だ。中盤の切が咲太夫・清治で、声量は今ひとつながら老練な技巧で聴かせる。後が眼目の織太夫で、朗々と熱演し、豪腕・燕三が支える。
お話は荒唐無稽ながら説得力あるのが、文楽の不思議。継子・俊徳丸を恋して討たれたと思っていた娘・玉手御前(勘十郎さん本領発揮の色っぽさ)が実家に現れ、その奔放ぶりに父・合邦道心(和生)と女房(勘壽)が葛藤する。匿われていた俊徳丸(一輔がりりしい)、許嫁の浅香姫(蓑二郎)、家来・入平(玉佳)と対峙し、合邦が怒りのあまり「魔王め」と玉手を刺すと、衝撃のモドリになだれ込み、父は「ヲイヤイ」と嘆くばかり。百万遍の念誦で幕となりました。

3部は休憩1回で3時間。お馴染み近松の、理不尽過ぎる傑作「女殺油地獄」。文楽で観るのは3回目。徳庵堤の段から始まり、河内屋内の段は奥で津駒太夫・清友が父母の苦悩を描き、安定。八代目綱太夫・竹澤弥七作曲とうたった豊島屋油店の段は、呂太夫・清介で、張りは物足りないながら、惨劇をきめ細かく。明快な呂勢太夫・宗助の同逮夜の段まで。
与兵衛の玉男はさすがの凄みだ。ただ珍しい優男役で、もっと若々しいといいかなあ。世話好きなお吉に大活躍の和生、その夫・七左衛門に玉志、気の毒な父・徳兵衛に玉也、母に勘彌、健気な妹おかちに貴重にも蓑助、理性派の兄・太兵衛に幸助。堪能しました。

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