志の輔「買い物ブギ」「徂徠豆腐」
志の輔らくご GINZA MODE 2018年1月
パルコ劇場改装中の志の輔さん、新年はなんと昨年オープンし話題となったGINZA SIX地下3F・観世能楽堂で10日間。銀座モードと銀座詣をかけたタイトルです。幅広い志の輔ファンが集まった感じで、非日常感、ウキウキ感が素晴らしい。さすが工夫しているなあ。脇正面の前の方で、上手真横の角度で6000円。3時間弱。
すでに昨年6月のこけら落としに登場したけど、会場への経路がわかりにくい、橋掛かりの中央を歩いちゃいけないと叱られた、目付柱をはずしてもらった、などの苦労を語り、小咄を立て続けにやって雰囲気を確かめてから、新作「買い物ブギ」。初めて聴くけど、日常の疑問ものでいかにも定番の安定感だ。ドラッグストアで客が、洗剤の細かく指定された用途やらをしつこく質問し、バイトも店長も混乱していく。笑いたっぷりで、巧い。
お楽しみはこの会場だから、映像は無く、松永鉄九郎ら長唄連中がしずしずと登場。めでたい演目のメドレーなど。三味線は清々しくて格好いいなあ。
短い仲入りを挟んで、数あるジャンルから長唄を選ぶとか、職業には神に呼ばれるものがある、といった感慨から、後半は古典「徂徠豆腐」をたっぷり。講談や正蔵さんで聞いたことがある、しみじみ人情噺だ。ろくに食べずに本を読んでばかりいる長屋住まいの学者と、それを尊敬し、気にかける人の良い豆腐屋。立場を超えた2人の友情は、真面目な志の輔さんらしくて、説得力がある。振り袖火事とは、荻生徂徠とは。忠臣蔵という演目の人気も含めて、とても丁寧な解説を挟み、ガッテン!の世界になっちゃうのも、この人らしい。
帰りに「福のおすそ分け」として、博多木札(喜富多)ストラップを配ってくれた。サービス精神にあふれてます。
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