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文楽「ひらかな盛衰記」

第二〇一回文楽公演  2017年12月

年末の本公演は恒例で中堅中心。とはいえ休憩1回で4時間と充実。襲名を控えた幸助さんが躍動し、スケールの大きい舞台でした~国立劇場小劇場、やや下手寄り前の方で6000円。

「ひらかな盛衰記」は文楽、歌舞伎で観たけれど、今回は意外に初めての「逆櫓」に至るくだりだ。冒頭、義仲館の段の上演は1988年以来とか。朝敵となってしまった木曽義仲(玉佳)が、巴御前(一輔)と覚悟の出陣。腰元お筆(勘彌)が奥方・山吹御前(清五郎)と一子・駒若君(大人しい勘介)を連れて逃げる。
続く木津宿屋の段はぐっと庶民的になり、靖太夫・錦糸がきめ細やかに。大津の宿屋で、お筆一行と順礼・権四郎(玉也)一家が隣合わせ、駒若君を大津絵であやしたのをきっかけに交流する。追手・番場忠太(玉勢)が踏み込む混乱のなか、暗闇でお筆は駒若君と権四郎家の幼子・槌松を取り違えちゃう。
前半のクライマックス、笹引きの段は、襲名を控えた咲甫太夫と清友が明朗に。お筆が果敢に追手と戦うものの、槌松は殺され、山吹御前も心労からあえなく落命。お筆は笹の枝に亡骸を載せて引いていく。悲壮だけど、ダイナミックな舞踊の要素も。いつも観ていた劇場ロビーの絵画は、このシーンだったんですね。

後半は松右衛門内の段から。権四郎が槌松の行方不明について語ったところへ、婿の松右衛門(颯爽と幸助)が帰宅。権四郎直伝の逆櫓の技術のおかげで、義経の船頭に起用されそうだと喜ぶ。
激情が交錯する奥は、呂太夫・清介が渋く。お筆が訪ねてきて槌松の死を打ち明け、駒若君を取り戻そうとするので、身勝手さに権四郎は激怒。すると奥から松右衛門が登場し、実は義仲四天王のひとり、樋口だと正体を明かして、権四郎に頭を下げる。権四郎も激しく嘆きつつ、なんとか納得し、皆で槌松を弔う。
大詰め逆櫓の段は、海、船、松と装置が大掛かりで、怒涛の展開だ。清志郎の三味線が格好いい! 樋口は勇壮な「ヤッシッシ」の掛け声で、逆櫓を稽古。義経側についた船頭たちを蹴散らすものの、鐘や太鼓が響いてきて、松に登って物見すると、周囲はすっかり敵だらけ。実は権四郎があえて訴人して、駒若君を救ったのだった! 樋口は若君に別れを告げ、権四郎が弘誓の舟唄で送って幕となりました。あ~、面白かった。

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