談春「棒鱈」「三軒長屋」
立川談春独演会 2017年9月
全国ツアー中の人気噺家さん、なぜか急な開催で、わずか10日ほど前の売り出しだったけど、さすがの満席です。2つ目披露をしたという思い入れある有楽町朝日ホール。後方の中央あたりで4320円。「9時には出なくちゃならない」とあって、中入りを挟み2時間。
前座無しで談春が登場。マクラはいつものように屈折しながらも、どこか吹っ切れたような風情だ。最近テレビ番組で志らくが志の輔、談春を斬りまくったことに触れ、仲がいいとか悪いとか、責任とかについて、ひとしきりブツブツ。始まってるよ、と笑わせながら、まず「棒鱈」。さん喬さんでも聴いた噺だ。田舎侍の不思議ソングが滑稽で、江戸っ子といい対照となって、気持ちよく笑える。
続いて「三軒長屋」の上。鳶頭の家での、喧嘩の手打のはずがまた喧嘩になっちゃう騒動をたっぷりと。剣術道場とに挟まれた家に住む妾が、あまりの騒がしさに音を上げ、旦那の質屋が、家質(かじち、抵当)になっているからいずれ両隣を追い出す、となだめるところまで。
中入り後に下。道場主と鳶頭が質屋を相手に一芝居うつ。面倒をカネでしのぐ質屋の、世知にたけた対応を筆頭に、登場人物それぞれが相手によって口調、態度をがらりと変える。その呼吸がなんとも巧い。痛快なオチまで、テンポも上々だ。
2012年暮れに、同じホールで聴いた演目。談春さんとしてはさらっとした部類だけど、獅子舞のエピソードとか、笑いもたっぷり。面白かったです。
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