鎌塚氏、腹におさめる
M&Oplaysプロデュース 鎌塚氏、腹におさめる 2017年8月
作・演出倉持裕、「完璧なる執事」鎌塚アカシ(ナイロンの三宅弘城)が活躍するスクリューボールコメディの4作目。さすがの楽しさ、安定感で、3作を超えればもう寅さんへの道かも。今回のマドンナはチャーミングな二階堂ふみだ。本多劇場、最前列で7000円。休憩無しの約2時間。
錦小路サネチカ公爵(大堀こういち)が屋敷の離れで亡くなる。探偵気取りのお嬢さまチタル(二階堂)は、毒舌の叔父・ヤサブロウ(眞島秀和)を探り始め、当然ながらアカシも手助けするが…
密室や時間トリックの本格風味に、死んだはずの公爵がうろうろしちゃう「ゴースト」テイストをふりかけつつ、ラストは亡き母を含めた家族の情でほろりとさせる。まさに寅さんの巧さです。
二階堂はフリフリドレスがよく似合い、歌も披露。三宅と、お馴染みライバルのスミキチ(ペンギンの玉置孝匡)が、ワイン盗難とスイカなど、息の合ったギャグで笑わせる。2人とも執事の衣装で、のっけから汗だくなのが気の毒だけど。さらに草木を枯らしちゃう園丁の矢田部俊(我が家)と、同時にふたつのことができない料理人の猫背椿(大人計画)がからんで、いいリズムだ。大堀が鷹揚な風格で、ギターも巧い。ナイロンの旗揚げメンバーなんですねえ。白スーツの眞島もはまり役。
リカちゃんハウス風の屋敷と離れのセットを、暗転でつなぐ方式(美術は中根聡子)。プログラムに載っていた当代の人気者たち、赤堀雅秋、長塚圭史に大矢亜由美プロデューサーを加えた鼎談も、それぞれの個性が感じられて面白かった。
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