落語「松竹梅」「わら人形」「自由ヶ丘由来」「粗忽の使者」
月例三三独演 2017年7月
女性客も多いイイノホール、上手後方で3400円。いきなり柳家三三が登場し、ヒアリの駄洒落、引退した将棋名人の話題で一二三と読まれる、などと名前にちなんで笑わせてから「松竹梅」。名前がめでたいことから婚礼に招かれた松竹梅トリオが、余興で忌み言葉をやらかしちゃう。さらっと滑稽でいい味。
いったん引っ込んでから「わら人形」。初めて聴くけど、夏らしく怪談めいて、ちょっと暗さが漂う三三に合ってるかも。糠問屋の娘・おくまが落ちぶれて、小塚ッ原の女郎になっている。元は湯島あたりの鳶だった願人坊主・西念に甘い言葉をかけ、なけなしの20両をだましとっちゃう。やくざ者の甥・陣吉が牢を出て西念を迎えに行くと、鍋でわら人形がグツグツ。なぜ釘を打たないかと問われて、「糠に釘」という落ち。零落した同士の騙しは陰鬱だけど、陣吉の優しさが救いになっている。
中入り後は柳家やなぎで、喬太郎ばりの電車擬人化のやりとりから、1年前に講談の会でも聴いた新作「自由ヶ丘由来」。頓狂な家族、大真面目で抵抗する娘が可笑しい。
トリは再び三三で、談春や市馬さんで聴いた「粗忽の使者」だ。妙に堅物のお使者と、調子のいい大工、造形の対比がお見事。楽しかったです。
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