落語「猫の皿」「抜けガヴァドン」「甲府い」「天災」
落語教育委員会 初夏スペシャル 2017年6月
三遊亭歌武蔵、柳家喬太郎に、残念ながら1年前に亡くなった柳家喜多八に代わって三遊亭兼好が加わったユニットの3人会。肩に力が入らない、上質の取り合わせでした~ 女性も含め、幅広い落語ファンが集まった有楽町よみうりホール、中ほどで3800円。中入りを挟んで約2時間。
幕開けは3人で、携帯電源オフを啓蒙する「コント~刑事新任編~」。いきなり歌武蔵さんが往年のボスに扮していて、笑っちゃう。何故か和服姿の新任デカ、兼好さん、グダグダの喬太郎さんはいつもの感じ。
開口一番は春風亭柳若。瀧川鯉昇門下の2つ目さんだ。落語芸術協会所属で、三遊亭円楽加入の話題などに触れつつ、「猫の皿」。川越を舞台に、旅の古美術商が茶店で猫用の皿に意外なお宝を発見、安く買い付けようと企むものの、主人のほうが1枚上手だったという、なかなか凝った噺。テンポが今ひとつかな。
柳家喬太郎が登場すると、格段に高座が流れ出す。末廣亭昼席のトリなんだけど夜席が大物で…という禁断のボヤキ、東横インの仰天エピソードなど旅を話題にしたマクラから「抜けガヴァドン」。導入は古典「抜け雀」だけど、絵師がなんと土管に三角を描き、それが抜け出して…という改作。楽しそうなウルトラネタ、相変わらず緩急自在で面白い!
仲入り後は末廣亭昼席のトリなんだけど夜席が大物で…という禁断のボヤキ、東横インの仰天エピソードなど旅を話題にしたマクラから「抜けガヴァドン」。導入は古典「抜け雀」だけど、絵師がなんと土管に三角を描き、それが抜け出して…という改作。楽しそうなウルトラネタ、相変わらず緩急自在で面白い!
中入り後は歌武蔵。力士からの転身という人で、まず「ただいまの協議について、ご説明いたします」。4月に亡くなった三遊亭圓歌師匠の形見分けの話で、しみじみしつつ、「甲府い」。江戸に出てきて早々、持ち金をすられ、思わず店先でオカラを盗み食いした男。豆腐屋に奉公し、「ゴマ入りがんもどき」の行商から真面目に勤めて、婿入りするまでになるという人情噺。幕切れの10年ぶり里帰りの朝、豆腐売りの掛け声が爽やかだ。
トリは兼好で、冒頭コントでの戸惑い、将棋で快進撃する藤井四段などの話題から古典「天災」。喧嘩早い八五郎と、なんとか諭そうとする心学の先生が珍妙な問答を繰り広げる。ついに「にわか雨に降られても天とは喧嘩できない」との喩えに得心し、早速真似して、友達に言って聞かせるが…と、後半はお馴染みの展開だ。心学とは庶民のための実践的な道徳学とか。知らなかったなあ。この人独特の個性か、さらさら軽くて、八五郎の素っ頓狂さが可愛らしかった~
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