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落語「のめる」「元犬」「たちきり」「花筏」「寝床」

第43回大手町落語会~ザ・柳家!Ⅶ~  2017年6月

安定感抜群の贅沢な落語会だ。けっこう幅広い落語好きが集まった日経ホール、下手寄り最前列で4000円。中入りを挟み約3時間。

開口一番は入船亭小辰。扇辰の弟子の二つ目だ。「私なんぞは料金の外」「広くは柳家ということで(むしろ源流ですよね)」と笑わせて「のめる」。友達同士が互いの悪い口癖「つまらねえ」「一杯のめる」を封印、口にしたら罰金と約束し、沢庵とか将棋とか、他愛無い手で何とか言わせようとする。軽妙で巧い。

本編はまず柳家三三。いつものように「長いマクラ」や林家兄弟をからかってから「元犬」。1年前にやはり三三さんで聴いた滑稽噺。徹底した馬鹿馬鹿しさがいい味だ。
続いてベテラン柳家権太楼。今度新聞にインタビュー連載が載る、今日はネタを準備してきたけど、前に同じ会で出したネタ(へっつい幽霊)はできないし、季節感もあるし(花見の仇討)、と明かしてから、たっぷりと「たちきり」。鶴瓶、正蔵らで聴いた切ない恋。控えめな三味線が入る大詰め、ごくシンプルに、恋人の死を知った若旦那の悲嘆、後悔が染みて、満場が静まり返る。素晴らしい。

中入りでは10月の会の特別前売りに行列も。固定ファンがついてるなあ。後半はまず柳亭市馬。相撲の呼び出しを朗々と披露してから、「これで拍手もらうのもどうかなあ、と最近思ってますが」と笑わせつつ、前に喬太郎で聴いた「花筏」。さらっと運ぶけど、相変わらずのおおらかさ。粋ですねえ。相撲観戦を経験して、情景が目に浮かぶようになり、一段と楽しい。
トリは権太楼さんのライバル、柳家さん喬。「権太楼師匠があんなに押すとは…」と笑わせてから、洒脱に「寝床」。こちらも喬太郎、そして文珍で聴いたことがある。笑わせつつ、ちょっと聴かせる義太夫が上手。粋ですねえ。

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