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夜桜能「絃上」「仏師」「西行桜」

第25回奉納夜桜能 第二夜  2017年4月

まさに満開の桜と月のもと、薪能を鑑賞。風が吹くとすごく寒かったけど、風情は満点だ。靖国神社、由緒ある木造の能楽堂前にパイプ椅子を並べた席の、下手寄り前の方で1万1500円。休憩を挟み2時間弱。フジテレビと社団法人夜桜能(松元崇会長)主催。

18:40から経営者らが務める火入れ式があり、まず舞囃子「絃上(けんじょう)」。中国伝来の琵琶にまつわる伝説を描いたそうで、梅若長左衛門が直面(ひためん)で、平安文化を開花させた村上天皇の霊となり、爽やかに早舞をみせる。
続いて狂言の「仏師」。仏師を探し、都で呼ばわりながら歩く田舎の者(野村萬斎)に、お馴染みスッパ(野村万作)が、なんと自ら仏像になりすまして、お代をせしめようとする。田舎者の修正要求に、スッパがあたふた応えて大騒ぎ。正統ドタバタコメディだなあ。

休憩で参集殿に避難して風をよけ、甘酒を買って少し暖まる。 後半はシチュエーションにぴったり、世阿弥が和歌を元につくった能「西行桜」だ。西山にある西行庵では老木の桜が満開。西行法師(森常好)は煩わしいと、能力(のうりき=寺男、声がいい深田博治)に花見禁制を言いつけるものの、はるばる訪ねてきた花見の人々を受け入れ、桜のために暮らしを乱されたと詠む。すると夢に桜の精(梅若玄祥)が現れ、桜に咎はない、と諭し、花の名所をたたえて静かに「太鼓序の舞」を舞う。
昼の賑やかさから一転、夜が更けて、古木に見立てた作り物から、翁の面をつけたシテが登場する。白と金の衣装が美しく、悠々とした雰囲気。杖を持つ演出でした。

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