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生きてる時間

カタルシツ演芸会 生きてる時間  2017年2月

作・演出前川知大。イキウメ別室カタルシツの5作目は、なんと古典落語の柳家三三と共演する意欲作だ。2008年上演の戯曲「表と裏と、その向こう」の設定をベースにしたという(内容はだいぶ違うらしい)独特のブラックSF。「座布団一枚の小宇宙」落語が持つ最強のイメージ喚起力と、冷静な語り部でもあるという役回りが、同様にイメージ豊かなイキウメ節と噛み合って、面白い。あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)、なんと2列目で4000円。休憩無しの約2時間。

近未来のとある町。全住民が埋め込み型IDチップでプライバシーを管理されるかわりに、税金はタダ、という社会実験中だ。裏では集めたデータからそれぞれの寿命を算出し、「生きる時間」の売買が横行している…
時の流れというものは誰にも平等なようでいて、実は一分一秒の重みは人と場合によってずいぶん違う。そして時間は濃密であれば幸せ、というわけでもないのだ。管理された時間からの、勇気ある逃走。

白いボックスを並べただけのシンプルなセットに、まず三三が登場。歌丸さんの近況、池袋は落ち着く、お客さんのファッションもしまむら?といった軽妙なマクラから、町の秘密を知る老医師夫婦のエピソードを語る。続いてコンビニの男(安井順平)、謎にせまる若い甥(田村健太郎)、フリーライター(盛隆二)がからむ芝居と、落語とが交互に進んでいく趣向で、情報量が多い。横からスポットライトで照らし、見えない者と会話する演出もはまっている。

盛と、最近はドラマでも活躍する安井の、息の合った笑いがさすが。客演の田村が瑞々しい。チラシの裏は英文で、盛の達者なイラスト付き。これからもいろんな語り口にチャレンジしてほしいものです。

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