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シネマ歌舞伎「女殺油地獄」

シネマ歌舞伎「女殺油地獄」 2017年2月

文楽に続いて、近松シリーズの名作世話物「女殺油地獄」を、2009年6月歌舞伎座さよなら公演のシネマ版で。当たり役・仁左衛門「一世一代」だ。よく入った東劇のやや後ろのほう、通路沿いの見やすい席で2100円。休憩無しの2時間弱。

リアルでは2011年に染五郎・亀治郎(猿之助)で観た演目だが、やはり関西弁が自然だといいなあ。冒頭、徳庵寺堤の場から、野崎参り途中で喧嘩沙汰を引き起こす与兵衛のちゃらんぽらんさ、見栄っ張り、そして弱々しさが魅力的だ。対するお吉は孝太郎、娘お光は千之助という親子三代共演。
公演当時のインタビューを読むと、仁左衛門はお吉とは恋愛感情はない、「家族同様の近所のお姉ちゃん」としており、孝太郎の色っぽ過ぎない感じがはまっている。豊島屋主人の梅玉が安定感。ほかに通りかかる侍で、坂東弥十郎・新悟親子。

続く河内屋内の場から豊島屋油店の場の前半は、追い詰められて暴れる与兵衛の未熟さと、父・歌六、母・秀太郎(芸者小菊と2役)との愁嘆場を描く。妹は梅枝。
後半でいよいよ殺しの心理劇となる。スクリーンで表情を確かめられるので、お吉からなんとか金をせしめようとする小狡さ、後先考えない暴走、快楽、そして激しい恐怖と、与兵衛の変化に見応えがある。これは文楽ともまた違う醍醐味。振付としては凄惨というより、アクロバティックな様式美で、若さが前面に出る。三味線の効果音がなんともクールだ。なんとか継承してほしいなあ。

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