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METライブビューイング「ナブッコ」

METライブビューイング2016-17第4作「ナブッコ」  2017年2月

昨年まで40年以上音楽監督を務めたジェイムズ・レヴァイン指揮、盟友プラシド・ドミンゴのタイトロール・バビロニア王というレジェンド共演で、ヴェルディの出世作を聴く。特製車椅子に乗ったレヴァインは痛々しいし、聖書の「バビロンの捕囚」に基づく異教徒否定のストーリーは、トランプ政権下ではむしろ皮肉だけれど、丁寧なオケと歌手、分厚い合唱は文句なく美しい。1月7日の上演。いつもの新宿ピカデリーで3600円。休憩1回を挟み3時間。

スペイン出身、「3大テノール」で知られるドミンゴは、現在はバリトン。生の響きはわからないものの、スクリーンで聴く限り、声は甘いし、階段を登ったり、うつ伏せで4幕ソロをこなしたり、苦悩の演技がたっぷり。76歳とはとても信じられません!
聴衆も熱狂。もちろん合唱も随所で大活躍し、特に3幕「行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って」は胸に染み入り、嬉しいアンコールがありました~

ほかの歌手陣は、若手ながら高水準。ナブッコと対立する姉娘アビガイッレのリュドミラ・モナスティルスカが、期待通り堂々の迫力。2015年ロイヤル・オペラ来日でレディマクベスを聴いた、ウクライナ生まれのダイナミックソプラノですね。高音の張りあげ方は、やっぱり気になるけど。また征服されたヘブライ人を励ます祭司長ザッカーリアのディミトリ・ベロセルスキー(こちらもウクライナのバス)も、表情が豊か。14年にローマ歌劇場来日のヴェルディ2作で、強い印象を残した人です。
この2人と比べると弱いながら、イェルサレム側についちゃう妹娘フェネーナのジェイミー・バートン(METオーディション出身のジョージア生まれの太っちょメゾ)と、その恋人イズマエーレ役、ラッセル・トーマス(マイアミ出身の黒人テノール)も破綻がない。

オーストラリアのエライジャ・モシンスキーによる定番演出は、ファンタジーながら、アイーダを思わせる時代物らしい荘厳さ。岩山のような巨大神殿を回り舞台に載せ、合唱を立体的に配置。王たちのキラキラ衣装が美しい。舞台裏の小規模オケ、バンダの様子も見られた。

特典映像は歌手インタビューのほか、ゲルブ総裁の司会でレヴァイン、ドミンゴ座談会も。歌い続ける秘訣は「声を節約すること」、といった話。予告では次回「ロメオとジュリエット」(ダムラウが楽しみ!)の指揮者ノセダらに加え、次々回「ルサルカ」の主演クリスティーヌ・オポライスらも登場。昨シーズンに続いて、美形オポライス押しが目立ちます。

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