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エノケソ一代記

シス・カンパニー公演 エノケソ一代記  2016年12月

大河ドラマを完走した三谷幸喜の書き下ろし作・演出。市川猿之助が喜劇王榎本健一になりすした男・田所を演じ、崇拝することの悲しさを見せつける。やや年齢層高めの世田谷パブリックシアター、上手寄り中段で9800円。休憩無しの2時間弱。

テーブルや椅子などシンプルなセット(美術は松井るみ)で、胡散臭い「エノケソ一座」の地方巡業をたどっていく。昭和32年の公民館控室から小学校の教室、中洲のクラブ、温泉街のストリップ小屋、そしてついに38年の新宿コマ劇場の応接室へ。

エノケンのライバル、アチャラカの帝王・古川ロッパ(三谷が扮装)とのまさかの遭遇など、スリルと笑いをベースに、「洒落男」「月光値千金」といった歌とダンスもたっぷりで、サービス満点だ。しかし猿之助の持ち味なのか、笑いよりもエノケンが好き過ぎる男の悲哀、という印象が強くて、どうも沸き立たなかったかなあ。
ネットはおろかテレビも一般に普及する前で、有名人の偽物がうようよ出没したという世情は面白い。浅草オペラのアクションやエロ、そしてエノケンという存在自体、馴染みが薄くてわかり辛い面はあるけれども。

徐々に常軌を逸していく夫を支え続ける健気な妻に吉田羊、最も怪しい座付作家・蟇田一夫に浅野和之、こき使われる団員に春海四方とみな達者。山中崇がなんと5役、裏社会ぽくなっていく招聘元の男を次々演じて巧い。ほかに水上京香、影アナは山寺宏一、音楽はいつもの荻野清子。

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