三人会「ちりとてちん」「母恋いくらげ」「粗忽の釘」
鯉昇 喬太郎 桃太郎三人会 2016年12月
昨年夏以来の、ベテラン昔昔亭桃太郎を中心にした三人会。テンポが良くてトークもあって、相変わらずの人気です。日本橋公会堂(日本橋劇場)の中央、前の方で3600円。18:45開演で仲入りをはさみ約2時間。
前座は桃太郎さんの弟子で全太郎が「寿限無」。まず桃太郎が、いつも通り飄々と「ちりとてちん」。余白が多くていいなあ。演者の個性で聴かせちゃう。
続いて柳家喬太郎が登場、「師匠がまさかの古典だったので、いま迷走している」と、長めのマクラ。自分の髪形がトランプに似てる、とか、池袋の百貨店の擬人化などでたっぷり笑わせてから「母恋いくらげ」。浜に打ち上げられた子くらげが、遠足バスに遭遇するが、母を守ろうと奮闘する、という古典っぽい新作。初めて聴いたけど、動き満載の海中生物の語りや、バスに乗っているやけにニヒルな小4男子が怪演だ。
最後は瀧川鯉昇で「粗忽の釘」をさらっと。上方の「宿替え」で、長屋に引っ越してきた男が、壁に八寸の瓦釘を打ち込んでしまい…。のんびりした風情と、人の良さそうな感じがいい味。桃太郎さんと同じ、春風亭柳昇門下なんですね。
仲入りで普段着姿になった桃太郎さんが、売店にきて気さくにおしゃべり。その後はトークショーで、かつて円生がファンの規模に対し噺家が多すぎる、と入門をストップした、当時東京の落語ファンは5000人だったらしい、今はどうか?、大阪は?という話題から、いつもの「古典を極める人は早死にする」といった桃太郎節。天才たちへのオマージュも。この3人は真打昇進がちょうど10年違いなんですねえ。楽しかったです!
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