一中節「松羽衣」「姫が瀧四季の山めぐり」
一中節「松羽衣」「姫が瀧四季の山めぐり」の会 2016年11月
縁あって重要無形文化財、一中節を聴きに。当代12世一中さんと尾上墨雪さんによる会だ。すがすがしい国立能楽堂能舞台の上手寄り正面、前のほうで5000円。休憩をはさんで1時間強。
まず謡曲にちなみ、5世作曲による「松羽衣」。女性陣の一桜、一光、一菊が並んで浄瑠璃、三味線は一中さん、楽中、勝中。三保の松原の天女は可憐にお嬢さんの尾上紫、漁師伯龍が墨雪さん。
休憩後は11世復曲の「姫が瀧四季の山めぐり―山姥―」。墨雪さんが四季折々自然とたわむれ、徐々に年老いていく女を舞う。息子さんの了中さんが浄瑠璃。一中節は三味線と浄瑠璃、両方手掛けるとか。扇面は朝倉摂。シンプルな舞台に、一本確かな筋が通っていて、伝統芸能のベースの一つを観る思いです。
一中節は中棹で優雅。京都発祥、江戸で大流行し、常磐津など三味線音楽の源流となったそうだ。当代は歌舞伎座の常磐津立三味線(主席奏者)も経験。また墨雪さんは6代目菊五郎が創立した日本舞踊・尾上流の先代家元とあって、客席には大物の女優さん、綺麗どころや経済人の姿も。出口ではお二人がお客さんをお見送り。華やかですねえ。
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