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キンキーブーツ

ブロードウェイ・ミュージカル「キンキーブーツ」<来日版>  2016年10月

全編シンディ・ローパー書き下ろしのキャッチ―な楽曲がご機嫌な、2013年トニー賞6部門受賞作の来日公演。ドラァグクイーンって何故か、出てくるだけでテンション上がるし、半端な色気が切ないなあ。スピーディーな脚本は「トーチソング・トリロジー」のハーヴェイ・ファイアスタイン、華やかな振付・演出は「ヘアスプレー」などのジェリー・ミッチェル。シアターオーブのやや下手寄り、すごく前の方のいい席で1万3000円。休憩を挟み約2時間半。

偏見を越え、あるがままの自分と他者を肯定すること、そして父との和解を描く、シンプルで前向きなお話。
チャーリー(アダム・カプラン)は恋人ニコラ(カリッサ・ホグランド)とロンドンで暮らすはずが、父の急死で田舎町ノーサンプトンのダサい靴工場を継ぐ羽目に。チャーリーを思う社員ローレン(ティファニー・エンゲン)にはっぱをかけられ、偶然出会ったド派手ドラァグクイーン、ローラ(J.ハリソン・ジー)の助言で、セクシーかつ頑丈な女装ブーツ作りに乗り出す。ローラは職人ドン(アーロン・ウォルポール)と衝突するが、ボクシング対決で勝ちを譲る。またいったんチャーリーと決裂するものの、結局はショー仲間や職人たちとミラノのショーに駆けつける。

いかにもドラァグクイーンの長身Jが、堂々としつつも、「Land of Lola」「Hold Me in Your Heart」などハスキーな声で、内面の弱さ、屈折を表現し、観客をひきつける。赤スパンコールや青のミニ、白のヒラヒラドレスの存在感と、もっさりした男装姿のギャップも面白い。かつて東京ディズニーシーに出演していたとか。
さらに6人組「エンジェルス」が加わると、独特のゆるめのダンスでショーパブの雰囲気。生真面目カプランは手堅い演技だ。
女性陣は自虐的なエンゲンが、軽妙なコメディエンヌぶりでシンディ・ローパーの世界にぴったり。敵役のホグランドは歌唱が伸びやか。

2階建の可動式セットを人力で回し、紗幕や舞台袖の階段も使って素早くシーンを転換。ベルトコンベアに乗って踊りまくる「Everybody Say Yeah」、さらに大詰めランウェイ上の「Raise You Up/Just Be」が盛り上がる。カーテンコールはスタンディングとなり、Jとカプランがグランバットマンを披露してくれました~

客層は幅広く、意外な財界人の姿も。ロビーにはなりきり撮影スポット、7~9月日本人キャスト版の衣装がありました。

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