秋らくご「子ほめ」「芝居の喧嘩」「笠碁」「普段の袴」「三枚起請」
よってたかって秋らくご’16 Night&Day 21世紀スペシャル寄席ONEDAY 2016年10月
いつもの落語会夜の部。予想外の講談もあって、とても充実してました! よみうりホール後ろの方で4100円。中入りを挟み2時間。
市馬の弟子・市若の元気な「子ほめ」のあと、神田松之丞が登場。昼の落語会は落語協会のベテラン揃いでやりにくかった、落語バージョンは本物じゃない、昼に練習しておいた、などと挑発して「芝居の喧嘩」。幡随院長兵衛と水野十郎左衛門の子分同士が、芝居小屋で激突する、平成中村座で観たシーンを汗だくで熱演。野次馬が繰り返し、パン!と扇を開くなど、ギャグも満載だ。初めて聴いたけど、神田松鯉門下でまだ30そこそこの2ツ目なんですねえ。この勢いは楽しみです。
座布団を替えて春風亭一之輔が登場。相変わらずの粋で、気張らない感じが松之丞と好対象で面白い。意外に初めて聴く「笠碁」。暇な旦那同士、下手な碁で待ったをするかどうかで口喧嘩になり、でもやっぱりお互いしか相手はいない。ただそれだけの話が、一之輔さんにかかると可愛らしくて、人情が染みて泣かせる。この日一番の出来。
中入り後は先に会長・柳亭市馬。上野・御成街道の道具屋で一服したお侍が、鶴の掛け軸を褒め、主人が文晁でしょうと受ける。煙管の火玉が袴に落ちても慌てず騒がず。見ていた職人が真似をして…と、お馴染みの馬鹿馬鹿しい展開だ。歌はなかったけど、一段とゆったりした語り口がいい。
トリは安定の柳家三三。髪が少し伸び、いっときの飄々とした枯れ具合から、またちょっと印象が変わって、そこはかとなく色気が漂う。この人は見るたび雰囲気が変わるなあ。噺は以前正蔵さんで聴いた「三枚起請」。鶴の絵などこの日のネタを織り交ぜながら、相変わらず人物の区別がくっきり。花魁を含めた登場人物全員が、なんとも浅はかで可愛げがある。
いやー、贅沢な会でした。
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