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講談「木津の勘助」「浜野矩随」

講談協会定席 神無月 2016年10月

思い立って日本橋亭講談夜席へ。1800円。
宝井琴調「出世の富くじ」の途中から滑り込む。貧乏武士が年の瀬の湯島天神で富くじを買い、なんと千両をあてるが、賢い妻に諭され、くじを燃やしちゃう。それが評判を呼んでトントン出世。かつて助けた小僧と再会する、気持ちのいい話。くじを当てたときの喜びようやら、巷の噂の芸能ネタやら笑いが多く、いつもながら気風がよくて、格好いい。
中入り後は一龍斎貞友で「木津の勘助」。2年前に春陽さんで聴いた演目だ。ぽっちゃりして愛嬌がある。

主任はお目当ての神田春陽で、怪しいテレフォンカードと談志さん、伊香保のとんだお宝といったマクラから「浜野矩随(のりゆき)」。腰元彫り名人の息子なのに、なかなか腕が上がらない矩随が、いつも2朱で買ってくれる若狭屋にさんざんけなされて死を覚悟。しかし母から形見にと請われ、精魂込めて彫りあげた観音が傑作となり、若狭屋が50両の値をつける。その間に母が息子の身代わりにと自害する驚きの展開。矩随は悲嘆を乗り越え、名人となっていく。落語にもなっている演目ですね。退路を断って開眼する、芸に通じる壮絶な話を、テンポよく聴かせてくれました。

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