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落語「浮世床」「締め込み」「擬宝珠」「純情日記渋谷篇」「夢金」

特撰花形落語会 柳家喬太郎・柳家三三 二人会  2016年7月

杉並公会堂改築10周年記念の落語会で、3部制のラストに足を運んだ。期待通りの強力タッグ。幅広いファンが集まった大ホールの1F中央、やや上手寄りで3700円。仲入りをはさみ2時間半弱。

開口一番は春風亭百んがで「浮世床 本」。おかっぱ百栄の弟子ですね。オムニバス形式から「床屋の看板」と「本」。太閤記を音読するけど、変な軍記になっちゃう。真面目そう。

続いて三三で、「マクラが長いのは下手。マクラでお客さんを観て、合う噺を選ぶ。だから今日は泥棒の噺で」と笑わせて「締め込み」。2010年に聴いたことがあるけど、さらにテンポ良く、おかみさんの滑稽さに磨きがかかってた。どんどんうまくなっている感じ。
続いて座布団下にクッションらしきものを入れて喬太郎。ひところより痩せたみたいだけど、パワーは変わらず、飛ばしまくる。「先週も杉並公会堂に来た。ただし小ホールのウルトラマン放送開始50周年のイベント。聴衆が落語ファンじゃないから、やりやすかった。あ、不穏当でした」と振ってから、オタク全開のウルトラマン薀蓄を延々と。ガチャガチャでフィギュアを集める話、立ち上がってフィギュアの姿勢の再現、「コイン収集だと昔は10円玉に緑青が浮いてた」とさりげなく振っておいて、「やっと噺に入ったな」と笑わせつつ、「擬宝珠」。
若旦那が寝ついてしまい、幼馴染が理由を尋ねると、実は金物を舐めるのが好きで、浅草寺五重塔の擬宝珠に焦がれているという。変わり者ぶりに呆れてたら、なんと親も同じ嗜好で、お布施をはずんで若旦那の夢をかなえちゃう。舐めたら塩六升(緑青)の味がした、というオチ。初代三遊亭圓遊が明治に作った噺を、師匠が速記から掘り起こしたとか。オタク心理を描いて、カラッと明るい。

仲入り後、喬太郎が再登場し、「満員電車に乗りたくなくて噺家になったのに、電車に乗って」といった体験から、かつて渋谷の書店をはしごした思い出などを語って新作「純情日記渋谷篇」。就職で男が広島勤務となる恋人同士が、最後のデートで渋谷を歩く。未練たっぷりの男が「ここ、よく来たよね」と言い募る街の描写が、とにかく馬鹿馬鹿しくて見苦しくて、「ちゃんとしたのは三三がやるから!」。1年後に同じ場所で待ち合わせるけど、なんと「パルコが無い!!」。大爆笑だ。
トリは三三。喬太郎の怪演のせいで、「終演まで8分しかないんですけど」とため息。しかしそこは落ち着いて、「夢金」をテンポよく。談春さんで聴いたことがある、大川端・船上の強盗談。人物の描き分けが鮮やかで、怖い噺だけど、嫌な感じがしない。結局、20分押しぐらいで納めてましたね。
充実。2人会としては今、最高の組み合わせかも。

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