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「勢獅子音羽花籠」「三人吉三巴白波」「時今也桔梗旗揚」「男女道成寺」

団菊祭五月大歌舞伎 夜の部 2016年5月

明治の劇聖を讃えて昭和11年に始まった団菊祭80周年に、菊之助長男の寺嶋和史が初お目見え。祖父吉右衛門がなんと29年ぶりに団菊祭登場と、話題の舞台だ。次代を担う海老蔵、菊之助が溌剌と活躍して楽しい。着物姿が目立つ歌舞伎座、下手寄り花道そばの前の方で1万8000円。休憩3回を挟みたっぷり4時間半。

開幕はお祝いの常磐津舞踊「勢獅子音羽花籠(きおいじしおとわのはなかご)」。神田明神前、芝居小屋の年中行事「曽我祭」当日という設定で、豪華メンバーが勢ぞろいだ。若手手古舞(鳶)らの木遣りのあと、菊五郎・吉右衛門が余裕たっぷりに曽我兄弟仇討を踊り、鳶頭の松緑・海老蔵、艶やかな芸者の魁春・時蔵・雀右衛門が続く。松也・巳之助の威勢のいい獅子舞には、芸者の梅枝・右近・種之助がからむ。
そしていよいよ花道から、いなせな梅玉・錦之助・又五郎らと菊之助親子が登場。和史くんは一同そろった口上では恥ずかしそうだったけど、手締めにしっかり参加。最後は客席に手を振ってました。まだ2歳だもんなあ。可愛い~

25分休憩の後はお馴染み河竹黙阿弥作「三人吉三巴白波」から大川端庚申塚の場。梅に朧月、派手な振袖姿の盗賊と、退廃的な様式美がぎゅうぎゅう詰めの演目だ。朗々とした七五調がぴったりの菊之助のお嬢、大仰過ぎるタメに思わず笑っちゃう海老蔵のお坊。この2人に比べると、松緑の和尚はちょっと迫力不足かな。
2010年歌舞伎座さよならで観た菊五郎、吉右衛門、団十郎の豪華顔合わせが懐かしく、芸の継承を実感する。いつ見ても気の毒なおとせは右近。

30分の幕間にお弁当をつつき、次は一転して重厚な鶴屋南北作「時今也桔梗旗揚(ときはいまききょうのはたあげ)」から本能寺馬盥の場、愛宕山連歌の場。こちらは2012年秀山祭で、光秀役の吉右衛門の演技を堪能した演目だ。地味な心理劇ながら、見せ場が多い。
松緑が我慢に我慢を重ねて奮闘するも、ちょっと線が細い感じ。妹・桔梗は綺麗な梅枝、妻・皐月はけっこう貫禄の時蔵、無茶過ぎる春永は團蔵。

ラストはお楽しみ、舞踊「男女(めおと)道成寺」。男女蔵ら所化によるチャリ場に続いて、金烏帽子姿の白拍子、花子(菊之助)と桜子(海老蔵)が、最初は長唄でおごそかに、桜子が狂言師左近の正体を現してからは常磐津で軽妙に踊る。
そして長唄、常磐津掛け合いの「廓尽くし」からぐっと華やかになり、男女そろってのクドキや「山尽くし」へ。美しい衣装の変化や、振出し笠、鈴太鼓などの小道具で浮き浮きさせる。客席にまかれた手拭は受け損なって残念だったけど、本当にこの2人は華があってスターだなあ。一層精進して、舞台を牽引してほしいものです。

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