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文楽「義経千本桜」

第一九四回文楽公演 第三部  2016年2月

3部制の初日に足を運んだ。悲劇の武将、平知盛を桐竹勘十郎さんが遣う。ちょっと空席がある国立劇場小劇場の、中央あたりで5900円。休憩を挟んで3時間弱。

お馴染み義経千本桜からまず二段目、動きがあって迫力満点の渡海屋・大物浦の段。知盛を現・玉男で観た豪快な印象が強いけど、勘十郎さんも庶民の銀平から白い鎧姿に変わって登場するシーンとか、品があって格好いい。白柄の長刀をぶんぶん振り回し、でかい碇を持ち上げ、ためにためた団七走り、そしてもちろんラストの入水! つくづく体力のいる役だなあ。
対照的に典侍局の豊松清十郎はクールで、抑制が効き過ぎと思えるほど。きらびやかな衣装に変わってから、覚悟を決め、舞台いっぱいに白い布を敷いて海へ向かうシーンが悲しくも美しい。ほかに安徳天皇が勘次郎、相模五郎が玉佳、義経が玉輝。
床は靖太夫・宗助、睦大夫・錦糸、千歳大夫・富助のリレーだ。途中、激しい波音などでは御簾裏からの三味線合奏が3回入る。みな声はよく出ていたけれど、能「船弁慶」の詞章を引用するなど、格調高い曲だけに、もっと味わいが欲しい、と思っちゃいました。

休憩後は四段目、踊りの道行初音旅。通称吉野山ですね。紅白の幕が落ちると桜いっぱいで、前段からがらりと変わって華やかだ。床は竹澤団七、鶴澤清志郎以下5丁の太棹三味線が並んでリズミカル。大夫も津駒大夫、芳穂大夫以下5枚。
人形は静御前が文昇、忠信、実は源九郎狐は白髪の勘彌。狐が犬みたいに耳の後ろを掻いていたかと思うと、遣い手の衣装も忠信に早替りして、桜の後ろからドーンと登場。鼓と鎧で義経を思い、雁と燕の舞、軍物語、そしてかなりのスピードでの扇投げ渡しと、趣向が多い。旅装に戻って幕となりました。

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