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立川談春「粗忽の使者」「妾馬」

立川談春新春独演会2016  2016年1月

新年幕開けは楽しみにしていた談春さん。いっぱいの有楽町よみうりホール、前の方やや下手寄りで4320円。中入りを挟んで2時間半。

まずいつもの一番弟子・小はるが「一目上がり」。職人が隠居の掛け軸を見て「賛をほめろ」と教わったが、大家には「これは詩だ」、医師には「一休禅師の悟だ」と言われ、次は六か、と思えば「七福神」で正月らしいサゲ。元気でリズムがいい。確実に巧くなっているなあ。

続いて初仕事という師匠が登場。いきなり「ニノ(ドラマの二宮和也)じゃないよ」と笑わせ、年末のドラマ「赤めだか」に登場した豪華キャストに対する感動やら(ホントに濱田岳は巧かった)、「下町ロケット」の撮影が押しに押して大変だったことやらをたっぷりと。勘九郎さんが亡き父上にそっくりだったこと、談志も弟子たちの中に生きている、著書がドラマになって師匠孝行できたかな、「あれ、賛成が少ないなあ」「早く落語やれって?」なんぞと言いつつ、「粗忽の使者」。
馬鹿馬鹿しさ満載、いつになく爆笑に次ぐ爆笑で苦しいほどだ。談春さんで一番笑ったかも。
そそっかしい地武太治部右衛門(じぶたじぶえもん)が他家の使者に赴き、肝心の口上を忘れて、思い出すために閻魔で尻をひねられる騒動に。実はそもそも口上を聴いてくるのを忘れてた、というサゲ。出だしの別当を呼ぶシーンからスピーディーで、リズムがさすがだ。

中入り後はじっくりと人情話で。白い屛風、白い座布団に紋付姿が端正だ。母が急に年金のことを言い出したとか、親子の情について振ってから「妾馬(めかうま)」、別名「八五郎出世」。
志の輔さんとはまた違うバージョンで、八五郎が「お世とり」を鳥と間違える冒頭や、お屋敷でがらっぱち口調でお殿様に話しかけちゃうあたりは、笑いがふんだん。
そして大詰めの八五郎の長台詞では、母への感謝に焦点を絞り、しみじみと泣かせる。自らマクラで種明かししたように、八五郎を寅さん、つまり半端なヤクザ者と設定したところが巧いなあ。常識人の重役・三太夫、鷹揚な殿さまとの対比もあって造形がくっきり。さらに聴衆の頭の中には、談志のらくだを聴いて「キリン、良かったです」と言っちゃったお母さま(顔は岸本佳世子)が浮かぶし、1席目と赤井御門守つながりだし、いろんな仕掛けが生きてた。

歌舞練場での落語会の予告などがちょっとあって、手締めとなりました。あ~、楽しかった。
相変わらずプライドと苛立ちを抱えつつの、なかなか大変な師匠だけれど、今年もいい噺を聴かせてください!

 

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