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文楽「奥州安達原」「紅葉狩」

第一九三回文楽公演  2015年12月

年末恒例、中堅主体の公演に足を運んだ。よく入った国立劇場小劇場、下手寄り後ろの方で5900円。人間国宝になったばかりの豊竹嶋大夫の引退が発表され、大夫の厳しさが続く文楽を今こそ応援!という気分だ。人形陣の充実、三味線の盤石さが頼もしい。休憩を挟んで3時間半。

メーンの演目は源義家に滅ぼされ、再興を目指す安倍貞任・宗任兄弟を描いた「奥州安達原」。2011年末に観て、勘十郎さんの袖萩に感動した演目の、後半部分です。人間関係が複雑なのでストーリーについていくのが大変だけど、シーンには変化があって面白い。
まず朱雀堤の段は明朗な咲甫大夫、宗助。京都七条の小屋で、物乞いをしている盲目の袖萩と幼い娘が偶然、父・平儀仗(けんじょう)と再会する。人形は黒衣姿でした。
セット転換があって、環の宮明御殿(たまきのみやあきごてん)の段。4組リレーの床のうち、千歳大夫・富助が聴きやすい。導入の通称「敷妙使者」は妹娘の敷妙が、夫・義家の使いとして上座に座り、父・儀仗(文司)に環の宮失踪の責任を問う。父娘双方の辛い心情をじっくりと。
続く「矢の根」は一転して、勇ましい武士の対決だ。義家(玉佳)、そして白梅の枝を手にした粋な桂中納言則氏(玉志)が、奥州で捕えた南兵衛(幸助)を詮議する。いわくつきの白旗に矢尻で和歌を書いたり、矢尻を投げ合ったり、アクションが派手で格好いい。幸助さん、ぴったりの役だなあ。
そしていよいよ「袖萩祭文」。おりしも雪がちらつき、姉娘・袖萩(清十郎)は枝折戸の外で寒さに震えながら、三味線をつま弾き、父を思う。哀れだけど気丈。清十郎は勘十郎さんに比べると淡々としてるけど、いつもながら端正だ。あれよあれよで儀仗も袖萩も自害しちゃって、則氏、実は貞任が6年ぶりに再会した妻の死を悲しむ。
大詰めは南兵衛、実は宗任と共に、勇壮な武将姿に変身した安倍兄弟が、義家と後の闘いを約束して別れる。敗者の兄弟に思い入れつつも、義家の人物の大きさが印象的です。

長めの休憩のあとは「紅葉狩」。能が有名だけど、歌舞伎をもとにした舞踊だそうです。幕が開くと、一面の紅葉が目に鮮やかだ。
床は5丁5枚で、呂勢大夫、芳穂大夫らを、錦糸、龍爾、寛太郎らがしっかり支ええ、琴2面もこなす。前半の美しい更科姫、後半の鬼女は勘彌で、扇のアクロバットや立ち回りも安定してます。対峙する平維茂の一輔が凛々しい。

終演後は忘年会になだれこみ、宗任の人形を間近で見せてもらいました。でっかい! 福引でカレンダーもゲットして大満足。来年も楽しませて頂きます!

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