小澤アカデミー演奏会 グリーグ「ホルベアの時代より」
小澤国際室内楽アカデミー奥志賀2015演奏会 2015年7月
この演奏会に足を運ぶのは3回目。小澤征爾が風邪で急きょ休演したのは、とても残念だったけど、彼が指導した若手たちの頑張りに胸がじんとした。東京オペラシティコンサートホールの前から数列目、ほぼ中央のいい席で4500円。いつもながら年配のクラシック関係者らしい人が目立つ。休憩を挟んで2時間弱。
前半はアカデミー生の4重奏6組。ぎりぎりに到着して、1曲目は最後列だったけど、2曲目からは息遣いまで感じられる席でした。特に弾きはじめなどの緊迫感が凄い。
今年は出身地が絞られて、日本のほか中国と台湾の、18歳から27歳。みな有望で、現代的なバーバーの松岡井菜(violin)、城戸かれん(violin)や、美しいシューマンの石田紗樹(violin)、有田朋央(viola)ら、ところどころ線が細い感じはするものの、堂々たるものだ。ラストは昨年結成のクァルテット奥志賀が、ブラームスで安定感を披露。お馴染み会田莉凡(violin)、小川響子(violin)、七澤達哉(viola)、黒川美咲(cello)。
休憩後はお楽しみ、アカデミー生全員に講師のジュリアン・ズルマン(violin)や川本嘉子(viola)らが応援に加わった合奏だ。まず会田が下山したけど東京は暑い、と笑わせ、小澤の妥協を許さない指導、4重奏はすべての基礎、という熱い教えを語る。予定していたベートーヴェンを割愛し、グリーグ「ホルベアの時代より」作品40より第1、4、5楽章を力一杯に。バロック調のリズムやピチカートに乗った印象的なソロなど、変化に富んだ音色が楽しめる。なかでも会田と七澤の息の合った掛け合いが微笑ましい。
珍しく第1楽章をアンコールして終了。拍手。
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