ジャージー・ボーイズ
ブロードウェイミュージカル「ジャージー・ボーイズ」 2015年7月
2006年トニー賞4冠、フォー・シーズンズの足跡をたどるジュークボックス・ミュージカルに足を運んだ。難しいことは考えず、懐かしい60、70年代ヒットを満喫できて楽しい。2014年に巨匠イーストウッドが映画化したせいか、ミュージカルでは異例の、年配男性がやたら多い東急シアターオーブ、前のほう中央のいい席で1万3000円。休憩を挟んで3時間近く。
キャッチ―なポップスを畳みかけるコンサート風構成で、テンポがいい。誰もが好きな「December,1963」「Can't take my eyes off you」では会場全体がのりのり! 「Cry for me」で4人のアンサンブルができあがっていくシーンが抜群だし、前半の「Sherry」「Big Girls don’t cry」「Walk like a man」の王道メドレーや、後半の「Beggin」「C’mon marianne」「Who loves you?」がご機嫌。しっとりした「My eyes adored you」や「Bye bye baby」で泣かせます。
フランキー・ヴァリのヘイデン・ミラネースは独特のファルセットをたっぷり聴かせ、作曲家ボブ・ゴーディオのドリュー・シーリーも声に張りがある。リーダー・トミーの太っちょマシュー・デイレイ、ニックの長身キース・ハインズもコーラスに演技に活躍。誇張されたダサいダンスも微笑ましい。ほかにマフィアのジップにトーマス・フィセラ、ゲイのプロデューサー・ボブ・クルーにバリー・アンダーソン。
物語はいたってシンプルだ。グループ名にちなんだ春夏秋冬の4パートで、4人が「オレにいわせりゃ」と、微妙に違う視点から語る。成功の裏で起きる仲間割れや警察沙汰、莫大な借金、家族との諍い。哀しい出来事を、巧妙な伏線や洒落、ホテルのタオル騒動といった笑いで包む。
メンバーはもともとニュージャージーの貧しいイタリア移民で、ケチなチンピラだった。同じバックステージものの「ドリームガールズ」と比べてキャラは地味。そんな冴えない若者たちが街角で、奇跡のようにヒット曲を生み出すシーンがなんとも健気だ。仲違いしても、根っこはずっとダチ。「木更津キャッツアイ」みたいな郷愁に、じんとする。
ボブ・コーディオが10代で、お馴染みタモリ倶楽部テーマ曲「Short Shorts」をヒットさせてたとか、後の名優ジョー・ペシがボブを紹介したとか、名曲「Can't take my eyes off you」が当初はなかなかオンエアされなかったとか、エピソードも興味深い。
ステージ後方に2階立ての鉄骨セットを組み、テレビ映像やアメコミ風の絵を使用、前方に簡単な机などを出し入れしてシーンを展開する。キーボードやホーンセクションなど少規模のバンドが演奏。すぐ後ろの席にジュディ・オングさんが来てましたね。
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