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わが星

ままごと「わが星」  2015年6月

1982年生まれ、柴幸男の作・演出。2009年初演で岸田國士戯曲賞を受賞し、2011年の再演で、福島・いわきなど全国6都市を回った代表作の再々演だ。
平凡な少女ちーちゃんの日常と、100億年に及ぶ地球の一生という極小と極大を大胆に重ねて、どんな命もただ生まれて死ぬ、だからこそ一瞬も永遠も同等にかけがえないことを描く。反復が多いけど、「マームとジプシー」のような執拗な拘泥ではなく、爽やかだ。
若い女性が多く、受付から学園祭のような雰囲気が楽しい三鷹市芸術文化センター・星のホール、自由席で3500円。1時間半。

客席は円形で、プラネタリウムを思わせる。俳優たちは時報と□□□(クチロロ)・三浦康嗣のポップなラップにのって、ぐるぐる回り、軽快に踊り、リズミカルに群読する。緻密な振付はモモンガ・コンプレックスの白神ももこ。セットはちゃぶ台ぐらい。
主人公・端田新菜の可愛さが秀逸だ。とても77年生まれ、1児の母には見えません。終盤で幼馴染の月ちゃん(斎藤淳子)が、大きなミラーボールを抱えて、思い出を語るシーンが美しく、涙を誘う。
ほかにも才気を感じさせるシーンがあって、お母さん(すらりとした黒岩三佳)とお父さん(永井秀樹)が歩きながら語る平凡な日課が、だんだんとシンクロしていくところや、大詰めで遥か遠くからずっと星を観測していた少年(88年生まれの小柄な大柿友哉が、自転車に乗ったりしていい存在感)とちーちゃんが、ついに巡り合うシーンには、じんとさせられる。先生に寺田剛史、姉に中島佳子、嫁舅やテレビのギャグが達者な祖母に山内健司。

みずみずしい戯曲と演出に安定感がある。ラップがところどころ冗長に感じるのと、制作(劇団プロデューサーの宮永琢生)の台詞が、ちょっと乗り切れなかったかな。物語に登場するチョコ「アポロ」を2粒、あらかじめ席に配ってあったのが可愛かった。

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