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文楽「五條橋」「新版歌祭文」「口上」「一谷嫩軍記」

第一九一回文楽公演 第一部  2015年5月

2代目吉田玉男襲名公演の今回は昼の部。舞踊、世話、時代に口上もあって華やかだ。着物姿の女性が目立つ満員御礼の国立劇場小劇場、人形の細かい表情も見える前の方、下手寄りで6700円。休憩3回を挟み3時間半。

プログラムは「一谷嫩軍記」につながる、短い舞踊「五條橋」から。時代物「鬼一法眼三略巻」の五段目だそうです。弁慶(勘市)の薙刀に牛若丸(紋臣)が載っちゃったりして、人形ならではの動きが面白い。床は睦大夫ら4挺4枚。
10分の休憩後、「新版歌祭文」から野崎村の段。2010年に蓑助らで観たことがある。前半はお約束のコミカルな展開で、ワルの小助が金をせしめて意気揚々と帰るとき、柱にぶつかっちゃう。さらに好きな久松(清五郎)と婚礼を挙げることになって、いそいそナマスを調理したりしていた、おみつ(勘彌)が、久松を追ってきたお染(一輔がなかなか可憐)を鏡越しに突いたり、門口に箒を立て掛けてぶつけたり、やりたい放題。久松はと言えば、お染が気になって父の久作(文司)の頭にお灸をすえちゃう。
後半は呂勢大夫・清治から津駒大夫・寛治の三味線豪華リレー。久作が切々とお染久松を諭し、さらにおみつが切髪姿で身を引く覚悟を示す急展開だ。幕切れはツレで寛太郎くんが加わり、一気に視界が開けた土手を、久松が駕籠で、お染と母が舟で帰っていく。

ランチ休憩を挟んでお楽しみの口上。後方に吉田一門がずらり13人並び、千歳大夫の進行で嶋大夫が厳かに、寛治が意外にお茶目に、そして人形仲間の和生、勘十郎が真摯に挨拶しました。大拍手。
休憩10分でいよいよ本日の眼目、並木宗輔らの重厚な時代物「一谷嫩軍記」。個人的には歌舞伎で観たほか、2013年の文楽では相模が途中交代というハプニングを目撃した印象的な演目です。
今回は熊谷桜の段から。人間関係が語られて、同じセットの熊谷陣屋の段になだれ込む。いつもより渋い印象の咲大夫・燕三が格調高く聴かせ、後では文字久大夫・清介が飛ばしまくって大奮闘。我が子を犠牲にする直実(新・玉男)に寡黙な悲壮感がみなぎる。力強くて儚くて、いい役だなあ。妻・相模は和生が安定感抜群、そして敦盛の母・藤の局が登場シーンからたおやかなで、勘十郎さん見事です。この3人が揃う三角形は、美しくて贅沢だなあ。キーマン義経は玉輝、敵役の景高に幸助さん。
節目の公演とあって客席には知った顔も多い。面白かったです!

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