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文楽「祇園祭礼信仰記」「桂川連理柵」

第一九一回文楽公演 第二部  2015年5月

いよいよやってきました、東京での吉田玉女さん二代目玉男襲名公演。ロビーにはお祝いの酒樽のほか、北野武や志の輔からの花もあって華やかだ。第二部は時代と世話の、それぞれ人気演目で楽しませる。満員御礼の国立劇場小劇場、中央のいい席で6700円。休憩を挟み4時間半。

まず「祇園祭礼信仰記」。変化に富んでいて、いつみても爽快だなあ。きらびやかな金閣寺の段は、たてこもった松永大膳(玉志)と此下東吉(幸助)の対峙する「碁立」が緊迫し、井戸の碁笥を浮かすシーンで沸かせる。三姫のひとつ、雪姫(清十郎)が可愛いくて清楚。ほかに玉勢、玉誉、玉佳ら。床は咲甫大夫。
爪先鼠の段は雪姫が縛られたまま、桜の花びらを舞わせて鼠を描くシーンに色気がある。その後は大ゼリのスペクタクルになり、特に今回、二層・潮音洞のシーンを、1966年の素浄瑠璃の床本を元に復活したそうで、ダイナミック。幸助さん、立ち回りで大活躍だ。床はなかなか安定の千歳大夫・富助から、希大夫・清志郎。

後半はがらり変わって心中ものの「桂川連理柵」。六角堂の段の人形は黒子で、しっかり者のお絹が義弟・儀兵衛をあしらい、隣家の丁稚・長吉を手なずける。竹本三輪大夫ら。
帯屋の段の前半は、嶋大夫・錦糸がたっぷりと。導入はお約束のチャリ場となり、タチの悪い継母おとせ(文昇)と連れ子儀兵衛(簑二郎)が、調子っぱずれながらズル賢いところのある長吉(贅沢に吉田蓑助!)を使って、長右衛門(玉女改め玉男)を追及しようとするが、お絹(和生)の智恵が功を奏する。新・玉男さん、我慢の演技で引きつけます。
後半はお絹のクドキで聴かせ、死を決意した隣家の娘・お半(勘十郎)が可憐。長右衛門が書置きを読むあたりから、切迫感が高まる。床はまずまずの英大夫・団七。
大詰めは道行朧の桂川で、長右衛門が幼いお半を背負い、暗い夜道を2人だけで心中の場へ向かう。決して悪人ではないけれど、どうにもうまく生きられない長右衛門の宿命と、純な女お半。文学だなあ。長右衛門は先代玉男の最後の舞台だったそうです。呂勢大夫、咲甫大夫、藤蔵、寛太郎ら。

パンフレットでカラー写真を並べ、首(かしら)を解説した新趣向がいい。

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