« 三人会「転失気」「金満家族」「文違い」「竹の水仙」 | トップページ | 正しい教室 »

禁断の裸体

シアターコクーン・オンレパートリー2015「禁断の裸体」  2015年4月

日ブラジル外交関係樹立120周年と銘打ち、来年の五輪開催地リオデジャネイロを舞台にしたネルソン・ロドリゲスの「カリオッカ悲劇」を上演。芸達者な キャスト、「ポツドール」三浦大輔のお馴染み大胆演出と話題が揃うものの、翻訳劇のせいかひりひり感は薄いかな。けっこう年配客が目立つシアターコクーン、後ろ のほう中央で1万円。休憩を挟んで2時間半。

物語は家族の崩壊劇。妻を亡くした紳士エルクラーノ(内野聖陽)が、兄にコンプレックスを抱く不良の弟パトリーシオ(池内博之)の企みに落ちて、あろうことか娼婦ジェニー(寺島しのぶ)に溺れてしまう。亡き母を慕う息子セルジーニョ(野村周平)は父に反発して転落、幸せを求めて精一杯取り繕っていたそれぞれの人生が破綻する。

背景に林立する巨大なクロスが精神のくびきを象徴し、登場人物の無軌道を際立たせる。1965年初演、73年には映画化されてベルリン映画祭銀熊賞を受賞したそうだが、宗教をベースにした文化の違いのせいか、時代の変化のせいか、センセーショナルさを感じるのが厳しい感じは否めない。個人的に三浦演出は、もっと得体のしれない虚無的戯曲のほうが生きる気も… 翻訳・ドラマターグは広田敦郎。

内野、寺島の文学座同期コンビと、たおやかにどんでん返しを担う野村が、生真面目に奮闘。内野はけっこうコメディタッチ、寺島は色気より端正さが先に立つ。この演目のために体重を増やしたという池内のだらしなさが、一番はまっていた。ほかに甥を溺愛する3人の魔女ならぬ3人のおば、木野花、池谷のぶえ、宍戸美和公や、ポツドールの米村亮太朗らが安定。
ガウディ風の岩の洞窟のような3階建てセットがお洒落だった(美術は田中敏恵)。

A

« 三人会「転失気」「金満家族」「文違い」「竹の水仙」 | トップページ | 正しい教室 »

演劇」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 禁断の裸体:

« 三人会「転失気」「金満家族」「文違い」「竹の水仙」 | トップページ | 正しい教室 »