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正しい教室

正しい教室  2015年4月

蓬莱竜太の作・演出、小学校の教室でのワンシチュエーション劇。「ハンドダウン・キッチン」風かな。ミュージカルスター井上芳雄が主演とあって、ファンが集まった感じのパルコ劇場、後ろのほうで8700円。休憩無しの2時間。

教師となった元委員長(井上)が、息子を亡くして帰郷したマドンナ(鈴木砂羽)を慰めようと、懐かしい教室でミニ同窓会を開く。「変わらないねえ」「誰だっけ」と、ぎこちなくも温かい、いかにも同窓会の空気だったが、横暴だった元担任(近藤正臣)の登場で一転、険悪に。
今も近藤を強く嫌悪するおしゃま女子・児島聖、妻に逃げられた番長(高橋努)、その手下でたちの悪い商法にはまっている有川マコトら、封印した暗い過去や、それぞれが現在直面する窮地が露見していく。

横暴でひねくれ者の近藤は、果たしてただの嫌な奴なのか。対照的に、生徒や保護者から好かれている真っ直ぐな井上が、本当に理想の教師なのか? 有川のカツラとか、高橋が持参するカレーとか、素朴なギャグを散りばめつつ、普通の人々が抱える屈託、そして人の本性というものを描く。緻密で、よくできた脚本です。壁に並んだ子供たちの習字「希望」の文字が皮肉だ。

近藤がよく通る声で、嫌われ老人を好演。カーテンコールで、打って変わって溌剌とするのもいい。共演陣は手堅いものの、群像劇だけに突出した求心力はないかな。ほかに前田亜季、岩瀬亮。

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