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落語「三枚起請」「かぼちゃ屋」「雛鍔」

はちくと貝柱の会   2015年3月

林家正蔵さんのネタおろしの会を、ねぎし三平堂で。木戸銭1000円。休憩なしの1時間半。
ほぼ宣伝無しなので、なんと10人ぐらいの贅沢な空間だ。いきなり髪形をきめた師匠が登場し、あまりに近くてどきどきする。落語協会副会長だもの。でもまあ、噺が始まれば気にならない。

マクラで「一つか無限大」、つまり初代三平のように一つの強力な芸風で押すのでなければ、ネタはどんどん増やすべき、これは3月の噺だと思っている、熊野権現の解説と振ってから「三枚起請」。棟梁が若者の遊びをたしなめるうち、同じ花魁から起請を受け取ったと気づく。さらにお調子者の仲間も同じ目にあっており、3人揃ってお茶屋に呼び出して、「起請に嘘を書くと熊野のカラスが3羽死ぬんだぞ」と責めると、開き直った花魁が高杉晋作の都都逸をもじって「カラスを殺してゆっくり朝寝がしたい」。実に粋な噺をさらさらと。棟梁の怒った顔が巧い。

着替えの間にご長男の前座、たま平が「かぼちゃ屋」。大きくなったなあ。偶然にも談春さんで聴いたばかりのネタで、もちろん全く別物だけど、元気が良くていい。

後半は正蔵で、噺家になった理由の一つの噺、あがったばかりだが、やはり3月の持ちネタにしたい、と前置きして「雛鍔」。植木屋の熊がお屋敷で、天保銭を知らずに雛人形の刀の鍔だ、という若様に感心。それに引き換え息子の金坊は定番の悪ガキだ。番頭といさかいになったお店のご隠居が訪ねてきてくれ、若様の真似をする金坊を褒めて小遣いをやると、悪ガキの地金を表して「焼き芋を買う」。
なんてことない日常風景だけど、気風のいい棟梁、口の減らない子供、職人にきちんと頭を下げるご隠居と、人物像がくっきりして、いい。金に頓着しないことを上品だとする心意気も爽やかだ。市馬さんに習ったそうです。終わってから見送ってくれました!

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