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いやおうなしに

パルコ・プロデュース「いやおうなしに」  2015年2月

面影ラッキーホール(現O.L.H)の16曲で構成した「歌謡ファンク喜劇」を、古田新太、小泉今日子の豪華顔合わせで。予備知識無しだったけど、メロディはとてもキャッチ―。でも歌詞はアングラで、ダメ人間たちの人生が身もふたもない。年齢層が高いパルコ劇場、前の方上手寄りで9500円。休憩を挟み2時間45分。

登場するのは微妙に田舎な海老名の工業団地にある、ワンコインもつ煮込み店店主・太一(古田)と妻奈美子(小泉)、2人を恨む藤岡(田口トモロヲ)、高校生の娘・芳奈(高畑充希)と教師(山中崇)、バイトの一穂(高田聖子)とそのヒモ(三宅弘城)。誰もがかつて取り返しのつかない何かをやらかしちゃったか、やらかしつつあって、面倒くさい。
そんな、言ってしまえばありふれた3面記事的底辺の、特にどこへも向かわないストーリーを、2重の回り舞台を使って80年代歌番組風のステージングとコントで味付け。福原充則の脚本を、「カッコーの巣の上で」などの河原雅彦が演出した。全国6カ所、ラストはパルコ公演というのは、主役2人のパワーなのかなあ。

女優陣が奮闘で、プログラムの座談会によると「気の迷いで出演した」という小泉は、持ち前のヤンキー性が全開で見事。高畑、高田も歌が巧くて、びっくりだ。対する男優陣は、古田が終始格好良かったほかは、リズム感とキレが今ひとつだったかな~

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