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プルートゥ PLUTO

シアターコクーン・オンレパートリー2015 プルートゥ PLUTO 鉄腕アトム「地上最大のロボット」より  2015年1月

浦沢直樹が手塚治虫作品をリメイクした大人っぽいアトムの物語を、映像とダンスを駆使して緻密に立体化。森山未來の帰国第1作でもある。コミックファンやダンスファンが多いのか客層は幅広く、立ち見ぎっしりのBunkamuraシアターコクーンの、上手寄り後ろの方で1万500円。休憩を挟んで約3時間。

ベルギー出身のシディ・ラルビ・シェルカウイが演出・振付、上演台本は谷賢一。世界最高水準のロボット7体のうち5体が次々に謎の襲撃に遭う。残った2体、ドイツの刑事ロボット・ゲジヒト(寺脇康文が悩む男を熱演)がアトム(森山が繊細)を訪ね、事件を探っていく。背景にはかつて大国との戦争に敗れたペルシア共和国のアブラー博士(松重豊)の復讐、そして大国トラキア合衆国首脳の陰謀があった。イラク戦争をベースにしているが、主題となる憎しみの連鎖は今まさに世界を揺るがすテロに通じるものだ。舞台前面を埋めるロボットの残骸がニュース映像の爆発現場のよう。

セットを非常に工夫しており、白い台形のパネルを自在に動かして漫画のコマ割りを再現する。映像・装置は松尾スズキやケラさんの舞台で活躍する上田大樹。人がロボットを演じる場合は、周囲に白装束のダンサーがついて人形遣いのように動き、機械を表現するのが面白い。
刺客である花畑の男サハドやレクター博士風のブラウ1589、大詰めでアトムが戦う巨大なプルートゥなどのロボットは、人形やダンサー。ピュアなウランとゲジヒト妻の2役で永作博美、真摯なお茶の水博士の吉見一豊、謎めいた天馬博士の柄本明と、芸達者が揃うものの、やっぱり主役はセットと人形だったかな。
枯れないチューリップとか、ウランの共感力とか、ゲジヒト夫妻の消された記憶に潜む子供、さらに大量破壊兵器ボラーの正体とか、意味ありげなエピソードがたくさん。演出もアイデア満載なので、ちょっと消化不良だった。

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