キレイ
Bunkamura25周年記念/シアターコクーン・オンレパートリー2014+大人計画「キレイ~神様と待ち合わせした女」 2014年12月
作・演出松尾スズキ、音楽伊藤ヨタロウによる2000年初演作の再々演。悲惨な戦争や科学の歪みを背景に、その実ごく個人的なコンプレックスと向き合う、お馴染みのダークな松尾節を、豪華キャストと華やかな歌で彩る。大人計画ファンらしき若い観客が集まり、立ち見も大盛況のシアターコクーン、中央後ろ寄りで1万1000円。
舞台は長く内戦が続き、大豆原料の人造人間「ダイズ兵」が戦う、もう一つの日本。10年に及ぶ監禁から逃げ出した少女ケガレ(多部未華子)は、ダイズ兵回収業者カネコキネコ(皆川猿時)に拾われた後、結婚したり金持ちになったり波乱万丈の人生を送りつつ、自ら封印した忌まわしい傷と対決していく。
あまりに醜い世界。損得だけを拠り所に必死に生き抜くケガレが、どうやって美しい花と出会うのか。カネコ家の長男ジュッテン(オクイジュージ)が自ら望んで視力を封じており、目を開けた時には雨が降る、というエピソードがなんとも切ない。
ケガレの監禁時代、少女時代、大人になってからと、おおむね3つの時間を行き来し、ときには複数の時間が同時並行で展開して、目まぐるしい。さらにマイナス要素を背負った者ばかりが次から次へ登場して、歌って踊って賑やかだけど、休憩を挟んで3時間40分はちょっと長かったかな。
ピットに11人編成のバンドが入り、俳優はマイク使用。主演の多部は、声と存在の透明感が際立つ。ほかに俳優陣はみな安定しており、ケガレを愛する2人、カネコ家のピュアな次男ハリコナは少年時代が小池徹平(歌が上手)、賢くなった青年時代が尾美としのり、そして自殺願望を抱くダイズ丸が阿部サダヲ。成人したケガレのミソギは松雪泰子(美しい)、社長令嬢カスミは田畑智子。ケガレを監禁していたマジシャンの田辺誠一はメークのせいか、前半は誰だかわからなかった。
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