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海をゆく者

PARCO Presents「海をゆく者」  2014年12月

2014年の観劇納めはクリスマスシーズンにぴったりの、アイルランドのコナー・マクファーソン作、2006年初演の戯曲。小田島恒志訳、栗山民也演出で。なんと5年前の初演と同じベテラン俳優5人が揃い。渋いキャスティングだけど、色気があって良かった~。パルコ劇場の少し後ろのほうで7500円、休憩を挟み3時間弱。

ダブリン郊外の海辺の町。クリスマス・イブの一夜に、揃いも揃ってどうしようもないダメ男たちが、リチャード(吉田鋼太郎)の家に吹き溜まり、ポーカーを始める。久しぶりに舞い戻った弟シェーキー(平田満)は胸に重い罪を抱えており、謎の金持ちロックハート(小日向文世)は地獄に連れ去ろうと賭けを仕掛ける。
諦めてロックハートに身を委ねてしまえば、楽になれるはず。だけど目が不自由でわがままな兄と、同じように罪を秘めた旧友アイヴァン(浅野和之)、調子のいい恋敵のニッキー(大谷亮介)が、ぎりぎりのところで彼を繋ぎ止める。男たちは飲んだくれでグダグダなんだけど、なんとも愛らしくて、大詰め夜明けの日差しが温かい。

冒頭から大暴れ、やりたい放題の吉田が終盤で見事に感動させ、舞台をさらう。対する終始千鳥足で、怪しさ満点の小日向が、この人しかできない存在感を示して見事だ。ぐっと耐える平田、相変わらずリズム感抜群で怪演の浅野、そんな飛び道具たちを受け止め空気を束ねる大谷と、素晴らしいバランス。
海をゆく者の孤独は結局、癒されないかもしれないけど、きっと人生は続いていく。あなたを気にかけている、誰かの存在があるなら。壁にかかったキリストの絵を照らすちっぽけな電球と、ラストに流れるジョン・マーティンの「スウィート・リトル・ミステリー」、そしてむさくるしい舞台にぽつんと鮮やかな赤いクリスマスカードが、ほろ苦くも印象的。

今年は「ロンサム・ウエスト」「ビッグ・フェラー」「Once」と、何故かアイルランドに縁があったな。それぞれタイプは違うけど、いい舞台でした~

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