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文楽「伽羅先代萩」「紙子仕立両面鑑」

第一八九回文楽公演  2014年12月

人間国宝の住大夫、源大夫が引退して、寂しくなってしまった2014年の文楽界。締めくくりの応援に、1部制の本公演に足を運んだ。世代交代を感じる国立劇場小劇場の下手寄り後ろの方で5900円。30分の休憩を挟み4時間弱。

まず「伽羅(めいぼく)先代萩」を、忍者が出てきたりしてけっこう動きがある竹の間の段から。文楽、歌舞伎で観た名作だけど、やっぱり女同士の戦い、しかも子供を犠牲にしちゃう残酷な展開は気が滅入るなあ。桐竹勘十郎さんが稀代の敵役の八汐をしっかりと遣い、栄御前は吉田勘弥。耐える乳人政岡は吉田和生で、茶道具を使った「飯炊き」のシーンでは珍しく、「待ってました」と声がかかってた。沖の井は吉田一輔、鶴喜代君で吉田玉誉。
床はまず豊竹咲甫大夫以下の大夫7人、三味線は鶴澤清友。御殿の段に入ってからは徐々に盛り上がり、前が竹本津駒大夫、鶴澤藤蔵、後は伸び伸びと豊竹呂勢大夫、鶴澤燕三。

休憩後は東京で41年ぶりという「紙子仕立両面鑑(かみこじたてりょうめんかがみ)」から大文字屋の段。豊竹芳穂大夫、奥は竹本千歳大夫と富助できっちり締まりました。
助六・揚巻が題材だけど2人は登場せず、歌舞伎みたいなキンキラ衣装も一切無し。舞台は助六の妻、お松(吉田清五郎)の実家である河内木綿問屋だ。助六が揚巻と逃げちゃったのに、舅・万屋助右衛門(吉田玉女がこちらも珍しく老け役だ)の心労を案じている優しいお松。兄の栄三郎(吉田幸助、じっと我慢の演技だ)はこれまで裕福な万屋に援助してもらっていたから、揚巻を請け出して助右衛門を救おうと、こともあろうにお松に身売りを頼んじゃう。兄妹の悲壮な決意を知って、嘆かずにはいられない母の妙三(吉田簑一郎)。そこへ助右衛門が訪ねてきて、もともと恩ある大文字屋を気遣っていたけど、お松には実家に戻ってもらう、揚巻も請け出したから安心して、と告げる。みな涙、涙だけど後味は悪くない。
終盤は一転、悪番頭・権八(玉也)と万屋の手代伝九郎がお松を誘拐しようとする、ちょっとコミカルなシーンで終わりました。

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