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Once

ブロードウェイミュージカル「Once ダブリンの街角で」 2014年11月

2012年トニー賞受賞作の来日公演。開幕前に舞台上のアイリッシュバーカウンターに観客をあげて、ビールをふるまう趣向が楽しい。観客はけっこう年齢層が広く、親密な雰囲気だ。開業1周年のEX THEATER ROPPONGI、さほど広くない1F中央あたりで高めの1万3000円。休憩を挟み2時間半。

原作は制作費1500万円のインデペンデント映画とあって、地味でシンプルな小品だ。スペクタクルもキラキラ衣装も一切無し。ギターとピアノだけで聴かせる、どこか民謡っぽいメーンテーマ「Falling Slowly」が切なく、しみじみと染みる。
舞台はダブリン。父の掃除機修理屋を手伝いながらストリートで歌っている冴えない男(リバプール出身のスチュアート・ウォード)と、チェコ移民でシングルマザーの女(ダニ・デ・ワール)が出会い、淡い恋に落ちる。女の励ましで男は、楽器店の店長やら銀行の支店長やらをかき集めてバンドを組み、オリジナル曲のデモテープを録音。女に想いを打ち明けるものの、結局2人はそれぞれの道へと戻っていく。意外とほろ苦くて大人っぽい物語。

キャスト全員がずっと舞台上にいて、演技と歌、演奏を兼ねる。開演前から美しいハーモニーはもちろん、ヴァイオリンやバンジョー、チェロ、アコーディオンなど楽器30種を達者に奏で、木箱を叩き、足を踏み鳴らしてリズムをとる。手作り感満載でニコニコしちゃう。人物造形もブーツなんか履いていて、なんとも田舎っぽく、主人公の男に至っては物凄く無口という設定。説明を抑制し、つつましい庶民の暮らしと家族の愛、夢にかける精一杯の想いがリアルに伝わってくる。
ワンセットで、机や椅子を移動して場面を構成。主人公たちが街を離れて遠出するシーンだけ、2人がセットの上部にあがり、床の豆電球で夜の海を表現していた。英語で喋りつつ、チェコ語の字幕が入ったりするのもユニーク。ジョークは少しわかりづらかったけど。脚本エンダ・ウォルシュ、演出ジョン・ディファニー。いつかアイルランドに行ってみたい!と思わせます。

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