« 文珍「子ほめ」「深夜の乗客」「お茶汲み」「お血脈」 | トップページ | 落語「真珠の誘惑」「時そば」「バールのようなもの」「掛け取り」「立川流騒動記」「明烏」 »

紫式部ダイアリー

Parco Production「紫式部ダイアリー」  2014年11月

シス・カンパニー所属となった2014年も大活躍の三谷幸喜作・演出。今年はドタバタ喜劇が続いた気がするけど、締めくくりは見ごたえがある二人芝居だ。平安時代の才女同士が、プライドとコンプレックスをぶつけ合って、互いを認めていく。割と男性が多いパルコ劇場、下手寄り前の方で8500円。休憩無しの1時間45分。

設定はなんと現代。とあるホテルのバーに、ベテランエッセイスト清少納言(斉藤由貴)が新進の売れっ子作家、紫式部(長澤まさみ)を呼び出す。二人はともに文学賞の審査員。選考会を明日に控え、清少納言はあることを紫式部に頼もうとするが…。
権力闘争渦巻く宮廷で、藤原定子を支えた才気煥発の清少納言。近頃は編集者の対応などから、落ち目を自覚していてイジケ気味だ。小柄な斉藤が、高いバースツールに座るのに苦労するドンくささを生き生きと表現。表情の振幅も大きく、堂々たる舞台女優ぶりです。
一方の紫式部は颯爽とした美女で、一緒にプロットを考えろと無茶を吹っかけてストーリーテラーの天才ぶりを見せつけちゃう。権力者との華やかな恋もにおわせる。自信満々にみえるものの、実力だけで評価されないことに苛立ち、酔いが回るほどに弱さを吐露。すらっとした容姿の長澤は、ちょっと乱暴な演技だけに傍若無人がはまっていて綺麗です。
二人が示す過剰な自意識と深い孤独は、作者自身の投影なのか。そう思うとなんだか観ていて息苦しくなるけれど、寂しさを笑いに変えて、ついに自己肯定に至るラストはやっぱり力強い。1000年後に向けて書く、ときたか。頑張れ、三谷さん。

お馴染みワンシチュエーションで、バーカウンターだけのシンプルな装置を、回り舞台で動かし、一夜のうちの時間の経過を表現(美術は堀尾幸男)。酒豪の紫式部はなかなかのウイスキー通で、途中で披露する薀蓄がオチにつながるところが洒落ている。セリフ無しのバーテンダー役は吉田ボイス、グラスではバカラが協力していた。お馴染みトルコ軍楽隊(エフテルハーネ)の「ジェッディン・デデン」が効果的。

« 文珍「子ほめ」「深夜の乗客」「お茶汲み」「お血脈」 | トップページ | 落語「真珠の誘惑」「時そば」「バールのようなもの」「掛け取り」「立川流騒動記」「明烏」 »

演劇」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 紫式部ダイアリー:

« 文珍「子ほめ」「深夜の乗客」「お茶汲み」「お血脈」 | トップページ | 落語「真珠の誘惑」「時そば」「バールのようなもの」「掛け取り」「立川流騒動記」「明烏」 »