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皆既食

Bunkamura25周年記念/シアターコクーン・オンレパートリー2014「皆既食~TotalEclipse~」

破滅的な愛と放浪に生きた19世紀フランスの詩人、アルチュール・ランボーとポール・ヴェルレーヌ。クリストファー・ハンプトンの1968年ロンドン初演の戯曲を、蜷川幸雄が演出した。小田島恒志訳。ニナガワ好きから岡田将生ファンまで、幅広い観客を集めたシアターコクーン、前の方のいい席で1万円。休憩を含め約3時間。

2014年も大活躍の蜷川さん、なんだかんだで5月以降は毎月観ていたなあ。今回は演出の意外性は少なく、むしろ淡々としているくらいで意外。狂気をはらんだ天才・ランボーの存在感に焦点を絞ったということだろうか?
終盤のシュトゥットガルト近くの森以外は、ずっと室内の台詞劇。暗転と家具の移動で、ヴェルレーヌが身を寄せていたフルールヴィル家やパリのカフェ、ロンドン、ブリュッセルの宿などを描いていく。

なんといっても注目は、映画版「太陽と月に背いて」でディカプリオが演じたランボー役、初舞台の岡田将生! 透明感があり、すらっとした長身、ふわふわの金髪や声が魅力的で、10代の身勝手さ、繊細さに説得力がある。実際の詩作は示さないので、早熟の天才であることが飲み込みづらかったけど。これからが楽しみな役者さんだ。
一方のヴェルレーヌの生瀬勝久は達者ながら、破滅感、不安定さの表現は今一つだったかも。序盤から20代の割に枯れた造形で、革命(パリ・コミューン)に躓き、裕福な妻(中越典子)の実家を頼る境遇の、屈折は伝わりにくい。その後もランボーと放蕩し、刃傷沙汰まで起こしながら、妻とも別れきれない。亡くなったのがまだ51歳だもの、とんでもない破綻ぶりだなあ。キャストはほかに加茂さくら、辻萬長、立石涼子、土井睦月子ら。
破局とスキャンダルから、大詰めの宗教観へと至るあたりの意味合いは、観る側がじっくり消化する必要がありそうなので、宿題ということで… 話題の舞台とあってか、客席には成海璃子ちゃんの姿も。可愛かったです。
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