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秋らくご「金明竹」「看板のピン」「紙入れ」「お血脈」「牡丹の怪」

よってたかって秋らくご’1421世紀スペシャル寄席ONEDAY 昼の部  2014年9月

1年ぶりに「よってたかって」シリーズに足を運んだ。よく入った、よみうりホールの中央で4000円。あまり席の高低がないので、ちょっと見づらかったかな。

前座は柳家小三治一門、はん治さんの弟子の柳家小はぜ。「金明竹」は超早口の言い立てというより、はきはきして聞きやすい。
仲入り前に三遊亭兼好、柳家喬太郎というちょっと意外な順序だ。まず円楽一門の兼好が、ドラゴンズ山本投手の49歳プロ最年長勝利の話題、本日出演メンバーの年齢のこと、軟式野球の話題などから「看板のピン」。サイコロのちょぼいちを材料に、うまい手を真似して失敗するという王道の滑稽噺だ。子分たちに博打の恐ろしさを説く親分が、実に格好いい。明るくて、安定感あるなあ。
続く喬太郎さんは客席からの掛け声を混ぜっ返しておいて、兼好さんを受けて「51歳、ボールは投げないけど、高座を投げる」、近所の浮気の噂話、間男の小咄から「紙入れ」。急な旦那の帰宅で逃げ出した間男が、紙入れを忘れたことに気づいて、翌朝、恐る恐る様子を伺いに行く。バレ噺とあって、色っぽい表現がなかなかに不気味。特におかみさん。「看板のピン」やら朝日問題やらをまぶし、程よい力の抜け加減だ。落ちもばっちり。この人は暴走大爆笑も凄みのある怪談もいけるけど、こういうさらっとした古典こそ巧さが光るかも。

仲入り後は雰囲気が変わって、まずおかっぱ、ゆるゆるトーンの春風亭百栄。年齢の話なら落語協会では50代の新真打がいる、自分の入門が遅かったのはロスの寿司屋で働いたりしていたから、欧米と比べ日本人は宗教観が独特、と振って、古典の「お血脈」。善光寺の由来を語り、極楽へ行けるハンコが流行ったため、暇になった地獄サイドがハンコを盗もうと、石川五右衛門を差し向ける。ちょっとしたズルで地獄行きにしちゃうあたりが笑える。
トリは三遊亭圓丈門下の元気な白鳥で「牡丹灯籠」のパロディ、「牡丹の怪」。売れない噺家がなんと喬太郎さんに誘われて、いいとこのお嬢さんと親しくなるが…という展開で、「小手先芸人」とか、喬太郎のウルトラマン好きなど、楽屋落ちをたっぷり混ぜて、落ちは「牡丹道路」。ほぼ同年代、バリエーション豊かな取り合わせでした~

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