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「真景累ケ淵」より「豊志賀の死」

「真景累ケ淵」より「豊志賀の死」   2014年8月

古典芸能好きの集まり・古遊座で、夏らしく神田春陽さんの蝋燭怪談を体験する。上野広小路亭の会議室で、約1時間。
三遊亭円朝の落語を元に、歌舞伎にもなった作品。速記本では97章に及ぶ大長編だそうです。よく上演されるのは、旗本・深見新左衛門が金貸しの宗悦を斬ったことが発端となるストーリーで、この「宗悦殺し」は春陽さんの講談や、喬太郎さんの落語で聴いたことがある。その後、敵同士である新左衛門家側の新五郎・新吉兄弟、宗悦家側の豊志賀とお園の姉妹が、それとは知らず運命的に遭遇して、次々に惨劇が起きていくわけです。

この日聴いたのは富本の師匠となった豊志賀が、若い煙草屋の新吉といい仲になるものの、弟子のお久との関係を疑って病にとりつかれちゃうくだり。実家に帰った新吉を豊志賀が訪ねてきて、駕籠に乗せて帰そうとするが、これが実は幽霊! 新吉の後妻をとり殺す、と言い残す。途中からは照明を落として和蝋燭1本。炎が長くて、ゆらゆら揺れる。怖い怖い。

前後に会の主宰・東雲喜光さんの解説を聴く。偶然出会ったはずの人物に、いちいち因縁があるというストーリーなので、冷静に考えると都合が良すぎると思える。けれど、そういう「巡る因果の恐ろしさ」が江戸から明治期の日本人を魅了したわけで、それは現代にも通用する気がする。豊志賀は病人だから、庶民だけど駕籠に引き戸がついているとか、細かい演出の配慮も面白い。
ちなみに、口演しながらうまく蝋燭の芯を切れるのが、「真打」の語源の一つだとか。春陽さん、もうすぐ真打お披露目ですね!
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