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ロミオとジュリエット

NINAGAWA×SHAKESPEARE LEGENDⅠ「ロミオとジュリエット」  2014年8月

御大・蜷川幸雄が初めて手掛けたシェイクスピアであり、その後も節目で演出してきたという戯曲。レジェンドと銘打ったシェイクスピアシリーズ番外編だ。オールメールで、半裸でびゅんびゅん駆けまわる男の子たちがとにかく愛くるしい。翻訳は松岡和子。若い女性ファンが集った感じの、彩の国さいたま芸術劇場小ホール。休憩を挟んで約3時間半。

狭いホールとあって、俳優が目の前で喋り、暴れる。装置はシンプルで、勾配のきつい客席が馬蹄形に3方を囲み、残る1辺に扉と鉄骨の階段、見上げる位置にある廊下だけ(美術は中越司)。ベッドやデスクなど最低限のセットを出し入れし、照明がシルエットを添える。

とにかく若い才能を生かす舞台。焦点となるロミオの菅田将暉は惚れっぽく、非常に幼い造形だ。特に著名なバルコニーのシーンは、出会ったばかりの恋人の一言一言に跳ねたり転がったり、思わず客席から笑いがもれるほど。生き生きして、いい。
喧嘩ばかりしているモンタギュー家、キャピュレット家の若者たちも、ジーンズにジャラジャラとアクセサリーを着け、下ネタを連発。どこにでもいる未熟で無軌道な不良たちですね。舞踏会のダンスシーンも、かなり猥雑だし。マキューシオ役・矢野聖人はしなやか、ティボルト役・平埜生成はヤンキーらしく、一人生き残る舞台回し役のベンヴォーリオ、大衆演劇の若葉竜也に安定感がある。楽しみな俳優さんたちです。ただ、若手はセリフが不明瞭なのが気になった。
ジュリエットの月川悠貴は、いつも通り細身で女らしい仕草だけど、今回はひとり大人っぽく、いっそ枯れているといえるくらい。男子たちの暴走を冷静に受け止める。

若手が発散するエネルギーのおかげで、たった5日で運命の恋から破滅に至る前半は疾走感十分。それに比べると後半で悲嘆に転じてからは、ちょっと一本調子だったかな。難しい戯曲ですねえ。
そんなもたつきを一掃するように、ラストで大人たちに憎しみの愚かさを見せつける演出は、いかにもニナガワ節。まだまだ面白い舞台を見せてほしい。レジェンドシリーズにも期待です。
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