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ビルのゲーツ

ヨーロッパ企画第33回公演「ビルのゲーツ」  2014年8月

チラシをみてセンスのいいタイトルに魅かれ、足を運んでみた。京都を拠点に、テレビ制作なども手掛ける演劇・企画集団。秀逸な群像コントです。作・演出は主宰の上田誠。観客は若めで、男性が多い。本多劇場のかなり後ろ、上手端で4500円。

CEOからの直メールで大企業の社屋に招かれ、張り切るITベンチャーの面々が、IDカードで次々にゲートを開けていく。エントランスでカードをかざすときの、ちょっとした恍惚感から発想したんだとか。そんなアイデア1本でシーンをつなぎ、休憩無しの2時間10分を十分もたせちゃう。「企画性コメディ」、かなりの水準です。
ゲートはやがてマイクロソフト風のパズル面接の様相を呈していき、気のいい普通の人々が力を合わせて出題に挑む。団結ぶりが可笑しくも爽やかだ。大爆笑というよりクスクス笑いを誘い、ラストはメルヘン。これがビジネスマン人生というものか。あ~、面白かった。

ベンチャー組は加藤啓(客演)をリーダーに、石田剛太、太っちょ諏訪雅、土佐和成、若い金丸慎太郎(客演)。うわっぱり電気系が岡嶋秀昭(客演)、永野宗典、とぼけた味のバイト少女が西村直子、威張ってる新進気鋭組が中川晴樹と天才エンジニアの酒井善史。さらにけなげな吉川莉早(客演)、本多力、そして角田貴志。
パンフレットは大学サークルの雑誌風だし、ロビーでタイトル文字を書いただけのTシャツを売っているのもチャーミング。石田剛太が挨拶して終わりました。

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