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鎌塚氏、振り下ろす

M&Oplaysプロデュース「鎌塚氏、振り下ろす」  2014年7月

作・演出倉持裕の完璧な執事・鎌塚アカシ(三宅弘城)が活躍するシリーズ3作目。ファンタジーの世界で、気持ちよく笑わせてくれるスクリューボール・コメディだ。若者が多い本多劇場は開幕前から明るい雰囲気です。前のほう上手寄りで6800円。休憩なしの2時間。

アカシは今回、中之院公爵家に住み込むことになり、女中頭・上見ケシキ(ともさかりえ)と再会する。当主レイジロウ(北村有起哉)は父を亡くし、政治決断のプレッシャーから神経衰弱に陥って、いもしない使用人と話しちゃう体たらく。おまけに貴族法改悪を迫る堂田男爵夫妻(片桐仁、広岡由里子)と従者・宇佐スミキチ(玉置孝匡)が乗り込んできて、困ったアカシは助っ人として同業の父・フリオ(ベンガル)を呼び寄せるが、この人がまた事態を引っ掻き回す。

お約束、アカシの四角四面ぶりは相変わらずだ。なにしろ初出勤に2時間前から門前で待機しちゃう。凛としたともさかとの、テンポいいやり取りが可笑しい。やっぱり、ともさかの上品さは特筆ものだなあ。歌っちゃうし。同じく第1作メンバーから片桐が復活。わかりやすいワルの堂田夫妻は、のっけからド派手な衣装で笑わせて大活躍だ。
第1作では2011年という辛い時期に、気持ちのいいラストシーンで観客を驚かせた。そんな鮮やかさはさすがに薄れたし、ハッピーエンドの予定調和には今や寅さんの空気さえ漂っちゃう。とはいえ今回参戦した渋い北村と飄々としたベンガルが、親子の情愛を語ってきっちり感動させてくれる。
伝説の執事どころか、好き放題やっちゃうベンガルの脱力感、そして「反抗しなくていい、親はとっくに後悔してるんだから」というセリフが秀逸。三宅と並んで北村の声の良さ、説得力も圧倒的です。初コメディとは思えません。

セットは回り舞台で、広い邸宅の各部屋を巡っていく、いつもの設計。緻密だなあ(美術は中根聡子)。ネタのスモークが早めに出ちゃうハプニングがあったけど、動揺してませんでしたね。
開幕直前に倉持さんとすれ違い、客席には瀬戸康史さんらしき姿も。プログラムを読むと、シリーズはまだ続きそうな雰囲気で、楽しみだ。

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