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「言うな」「転失気」「寝床」「お見立て」「友よ」

東西競演特選落語会  2014年6月

三三、喬太郎、たい平、文枝という豪華顔ぶれの落語会で、昼の部。トリを意識してか、軽めの古典が多く、テンポのいい会でした。雨交じりの地元・杉並公会堂大ホール、中央あたりの席で4500円。ロビーでは笑点グッズの販売も。中入りを挟み2時間強。

前座はびっくりの名前、三遊亭ございます。演目は前座噺ではなく創作「言うな」。時節をとらえて、残業でサッカー中継を見られないファンが、録画で楽しもうと結果が耳に入らないよう奮闘する。安定感あり。
そして柳家三三。ひょこひょこ歩きに磨きがかかった感じだ。駅から公会堂までちょっと歩くこと、忙しいふり、保育園児相手の落語といったマクラから「転失気」。医者に「テンシキはあるか」と聞かれ、知ったかぶりをしちゃった和尚が、小僧に花屋で尋ねさせるが、「床の間に飾っていた」とか「味噌汁の実にした」とか要領を得ない。小僧は医者から、実はおならのことだと教わり、和尚にいっぱい食わそうと盃の意味だと偽る。和尚と医者の頓珍漢なやりとりで笑わせる他愛ない噺が、この人にかかると上品だ。
続いてお楽しみ柳家喬太郎。いつもの人を食った雰囲気で、前のほうに空席があることを嘆いたりしてから「寝床」。旦那が下手な義太夫を聴かせようとし、長屋の店子、店の使用人が逃げ回る。旦那がヘソを曲げたため、みな観念して聴くものの、酔っ払ってしまう。ひとり泣いている丁稚に、御簾から出てきた旦那が喜んでどこに感動したのか尋ねると、「その御簾が自分の寝床だ」というサゲ。テンシキや芝浜をまじえた苦し紛れの言い訳づくし、義太夫の意味不明の唸りやピストル並みの破壊力などで爆笑を誘う。さすが、強引にもっていくなあ。

中入り後は林家たい平。笑点ネタで笑わせておいて「お見立て」。花魁が嫌なお大尽に会おうとしないため、間に入った若い衆は病気だと嘘をつく。お大尽が見舞うと言い張るので、死んだことにし、ついには山谷の墓に案内する羽目になる。「どれが本当の墓だ」と聞かれ、花魁選びになぞらえて「どうぞお見立てください」。はきはきしているが、色気は少なめ。
トリは釈台をおいて大御所・桂文枝で、実はこの人の落語を聴くのは初めてだ。1年8カ月に及んだ襲名興行の話から創作「友よ」。高校時代からの旧友、柳原と石山が70代になって、温泉に出かける。膳をつつきながら互いの老境の愚痴やら、若き日に熱中したジャズバンドの思い出やら。いじましいなかに、ほろりとさせる友情談だ。さすが、飄々としてましたね。
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