« 赤鬼 | トップページ | 関数ドミノ »

昔の日々

昔の日々  2014年6月

英国のノーベル賞作家、ハロルド・ピンターの戯曲を、人気演出家デヴィッド・ルヴォーで。谷賢一翻訳。客席は年齢層が高めだ。やや広すぎる感じの日生劇場、前のほうで8000円。休憩なしの1時間半。

ピンター作品は2012年、深津篤史演出で「温室」を観たことがある。それに比べると不条理度は低めなのに、一段と難解に感じたのは、設定が日常的だからか。舞台はディーリー(堀部圭亮)とケイト(若村麻由美)夫婦が暮らす海辺の家だ。ケイトの旧友アンナ(麻美れい)が訪れてきて、前半は居間、後半は寝室のワンセットでえんえんと会話が続く。饒舌だけど、夫婦も、20年ぶりに再会したはずの女同士も、ひどくよそよそしい。それぞれが語るロンドンでの華やかな日々の記憶は、微妙に食い違っている。
ケイトとアンナは単なるルームメイトだったのか、かつてディーリーとアンナは何かあったのか、いったい誰が生きて実在するのか? 帰りに出口で演出ノートの抜粋が配られ、今回の設定を種明かし。確かにいかようにも解釈できそうで、だからこそ、どう解釈しても居心地の悪さが残るのかも。

セットは真四角の舞台を印象的な白い照明で囲み、遠くにピアノや蓄音機が点在する背景をわざとパネルで遮る。狭い閉鎖空間が静謐かつスタイリッシュだ。美術は「シダの群れ第三弾」などで観た伊藤雅子。
俳優3人が膨大なセリフをこなして立派。不安定にコーヒーカップを持ちながら、ぐっと顔を近づけたり、バスローブ姿で床に転がったり、どきっとする仕草が多い。麻美のスタイルの良さも際立ってました。

005

« 赤鬼 | トップページ | 関数ドミノ »

演劇」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 昔の日々:

« 赤鬼 | トップページ | 関数ドミノ »