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「小政の生い立ち」「太閤の風流」「浅妻船」「応挙の幽霊」「宅悦殺し」

神田春陽・旭堂小二三 二人会  2014年6月

雨の神保町で、今秋に真打昇進披露を控える春陽さんの会。怪しげな神田古書センター5Fの、怪しくないらくごカフェで2000円。満席です。中入りを挟んでたっぷり2時間半。
まずお二人の挨拶から。小二三(こふみ)さんは旭堂南陵門下の女流で、拠点は大阪。「旅費で赤字になるので、独り身とはいえ、最近はあまり東京に来ていない」。すかさず春陽さんが「独り身というところがポイント」と突っ込む。仲好さそうですね。

前座さんが人手不足だそうで、かわきりは「お手伝い」として、春陽さんが教えている声優学校JTBエンタテインメントアカデミーの学生さん、川村佳代が「次郎長外伝~小政の生い立ち」を、拙いながら元気よく。魚屋の政吉が次郎長と知り合うエピソードで、気のいい石松に突っ込む生意気ぶりが可愛い。
小二三さん1席目は、外国人の妹弟子のこと、大坂の陣400年と真田の大河ドラマで3年食える、というマクラから滑稽な「太閤の風流」。成り上がりの秀吉が意地悪な公家に歌を所望され、「奥山に紅葉踏み分け鳴く蛍」とやってしまう。細川幽斎が下の句を「しかとは見えぬ杣(そま)のともし火」と知恵をつけ、切り抜けたという、ちょっと教養を感じさせる話。美人だし、はきはきして非常に聞きやすい。
続く春陽さんは、旬の鮎の香りは加齢臭に似ているらしい、という「耳寄りな話」で笑わせてから、前にも聞いた「浅妻船」。紀伊国屋文左衛門の座敷での屛風のエピソード、そして三宅島に流された英一蝶からの便りとして、宝井基角が干物の印を探す友情談。前より軽妙さが増した印象。

中入り後は、小二三さんでこれは実話、という振りから「応挙の幽霊」。幽霊画で知られる円山応挙が長崎の遊郭で、病に伏している遊女を描き、形見の匂袋を受け取る。大坂の馴染みの店に絵を掛けると、物珍しさで大繁盛。お礼の着物から、実は遊女が幼いころ行方知れずになった娘だったと判明する。しっとりした孝行話にほろり。
ラストの春陽さん、告知が幾つかあり、これから語る怪談を中和するため魔法の言葉を、と称して何故かホモ映画館の爆笑マクラから「宅悦殺し」。喬太郎さんの落語で聴いたことがある「真景累ケ淵」の導入部ですね。宅悦が家を出るあたりが絵画的だ。不気味さは控えめかな。充実してました!

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